日々報じられるニュースの陰で暗躍している諜報機関──彼らの動きを知ることで、世界情勢を多角的に捉えることができるだろう。国際情勢とインテリジェンスに詳しい山田敏弘氏が旬のニュースを読み解く本連載。今回取り上げるのは、誰もが一度は見たことがあるはずのオンライン百科事典、ウィキペディアだ。世界中の人間が情報を得るために使っているこのプラットフォームが今、ウクライナ侵攻における情報戦にも使われているという。 百科事典で繰り広げられる情報戦 ロシアがウクライナへ侵攻するにあたって情報戦が続けられていることは、この連載だけでなく、クーリエ・ジャポンでも何度となく取り上げられている。 情報戦と言うと、スパイ工作やフェイクニュース、偽旗作戦などが話題になるものだ。ソーシャルメディアを始めとするさまざまな媒体で活発に情報工作が行われ、ロシア側もウクライナ側も、自分たちの正当性が広く知られるよう動き、さらに