積水化学工業は2008年1月、メインフレームを撤廃した。1999年から進めてきたオープン化で取り残されたシステムを2年弱かけて移行した結果だ。対象は、仕様書などのドキュメントがなくブラックボックス化しながらも、通常業務の核となっていたもの。移行リスクの高さから手を付けなかったが、“再構築しないリスク”が高まったと判断した。帳票削減に関して現場を説得し、構築コストを抑えた。 アセンブラで実装した通信機能はプロトコル仕様のドキュメントが存在せず、詳細が分からない。たび重なる機能追加・変更で70万行のプログラムがスパゲティ状態。40年前のコードが残っていてブラックボックス化――。 これらが、基幹システムのうち「通信機能」「販売や会計の一部」「マスター管理」が最後までメインフレームに残ってしまった理由である(図1)。もちろん、コストと時間をかければオープン化は可能だ。しかし、直近では大きな機能変更