■この時代に「軍国主義」とは 毎年、この時期になると、さきの大戦で戦陣に散った人々を偲(しの)ぶ物語がメディアを賑(にぎ)わす。いつの時代になっても、国のために命をささげた人たちのドラマには胸をうたれる。 本紙7月30日付「教育再生考」で紹介された植村真久少尉(戦死後、大尉)の遺書もその一つである。特攻隊を率いて戦死した少尉は、生後6カ月の愛娘(まなむすめ)にあて、「大きくなって父に会いたいときは、九段へいらっしゃい」と言い残す(學藝書林、「証言 私の昭和史」)。 ≪歴史認識は入り込めぬ≫ その東京・九段の靖国神社ではきょう、多くの人が亡き父、夫、兄弟の霊にぬかずき、国に殉じた人たちに哀悼の誠をささげる。 今の時代、「死者との対話」は静かに行われるべきだ。歴史認識や外交上の配慮、政治的な思惑など入り込む余地はない。 中国や韓国は、日本の指導者の参拝を容認しない。「日本の軍国主義が行ってきた