本紙社会部長特別評論「対米交渉 現実直視を」 Tweet 政治 2012年2月5日 09時49分(16分前に更新) 沖縄基地問題が迷走する理由を考えるとき、異様とも思えるほど現実から目を背ける政治、言論の歪(ゆが)みを指摘せざるを得ない。 日米両政府はこれまで普天間飛行場の名護市辺野古移設を、在沖米海兵隊8千人のグアム移転の条件としてきた。いわゆる「パッケージ論」だ。 そもそも戦略的要衝といわれる沖縄から海兵隊8千人をグアムへ移転することが可能なのはなぜだろうか。在日米軍にとって過去最大規模の兵力削減だ。なぜグアム移転と普天間移設が「パッケージ」なのか。 海兵隊8千人を削減しても「抑止力」に影響しないが、辺野古での基地建設が実現しなければ日本の防衛が脅かされるとでも言うのだろうか。 沖縄の地理的優位性にしても、海兵隊を運ぶ輸送力は、長崎県佐世保の強襲揚陸艦か、あるいは本国から調達する大型輸