種子島宇宙センターから打ち上げられたH3ロケット3号機=1日午後0時6分、鹿児島県南種子町(伊藤壽一郎撮影)2号機まで試験機の位置づけだった日本の次世代主力ロケット「H3」は、3号機が1日、国の重要な大型衛星の打ち上げに初めて成功したことで、いよいよ本格運用段階に入った。今後は世界中から衛星の打ち上げを大量受注し、日本の持続的な経済成長につなげることを狙う。だが、まだ完成形ではなく、主エンジンの改良や機体構成の新たな展開により、さらに国際競争力の高いロケットへの成長を目指す。 宇宙ビジネス拡大の切り札H3は、年度内に残り2機を打ち上げて引退する現在の主力ロケット「H2A」の後継機だ。これまでに48機中47機の打ち上げを成功させたH2Aの高い信頼性を継承した上で、衛星打ち上げを望む企業などの使いやすさを重視。H2Aでは約100億円だった打ち上げ費用や、受注から約2年かかった打ち上げまでの期間