従来から言及してきたように、筆者は、新興経済圏の高成長ブームがまもなく終焉を迎えるのではないかと考えている。だが、世の中では、「次なる成長フロンティア」を探す動きが、依然として続いている。 成長フロンティアの候補として期待されるフィリピン経済 ブラジル、ロシア、インド、中国に続く成長フロンティアの候補として、これまでも、インドネシア、南アフリカ、メキシコ、トルコなど、様々な国が登場したが、いずれの国も、かつての「BRICs」のようなブームが到来するには至っていない。そして、最近になってクローズアップされつつあるのが、フィリピンである。だが、筆者の印象では、フィリピンが、このまま高成長を続けていくとはとても思えない。 フィリピンの1-3月期の実質GDP成長率は、前年比で+7.8%で、同時期の中国(+7.7%)を上回り、しかも、成長率は加速している。新興国の多くで成長率が鈍化、ないしは減速して