無罪が確定することになったのは、東京電力の武黒一郎元副社長(78)と、武藤栄元副社長(74)です。 2人は、去年10月に84歳で亡くなった勝俣恒久元会長とともに、福島県の入院患者など44人を原発事故からの避難の過程で死亡させたなどとして、検察審査会の議決によって業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴されました。 裁判では、震災の9年前、2002年に国の機関が公表した地震の予測「長期評価」の信頼性が主な争点となり、1審と2審は、「長期評価」などをもとに10メートルを超える津波を予測することはできなかったとして無罪を言い渡し、検察官役の弁護士が上告していました。 これについて、最高裁判所第2小法廷の岡村和美裁判長は「長期評価は当時の国の関係機関の中で信頼度が低く、行政機関や自治体も全面的には取り入れていなかった。10メートルを超える津波を予測できたと認めることはできない」として、裁判官全員一致の意
