スピリチュアルなんて言うといかんせん胡散臭いし、フェミニズムなんてのもついつい敬遠してしまう。それなのにこの「霊と女たち」、書店帰りに立ち寄った日曜のSTARBUCKS COFFEEで、ワンシッティングで読了してしまった。面白いなあ。異端審問とか伝奇とかおどろおどろしい歴史をあつかっているから、博物誌や民族誌をひもとくときについ感じてしまうエキゾチックなものに対する好奇心を満たしてくれて、そうでありながら、分析にはフーコーやイリガライら西洋哲学のフレームを使っているから、論理的なことこの上ない。 本書は、独立性の高い12の章で構成されている。共通しているのは、男性中心の旧来の社会体制のなかで、女性がうみだしていた相補的な体制の、成立のメカニズムと役割を、スピリチュアリティとセクシャリティを使って論じていること。男根中心主義=ロゴス中心主義というのは、ことばと論理によって明快に説明し尽くせる