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本に関するmurashitのブックマーク (1,464)

  • 【読書ノート】『正義のアイデア』第18章 - 亀の名前を考え中。

    正義のアイデア 作者:アマルティア セン明石書店Amazon ずっと前に途中まで読書ノートをつくっていたけど、同じような議論が延々とつづくので疲れてストップしてた。最終章である第18章は全体のまとめになってるので、ズルしてここだけ要約して、読書ノートを完成させたふりをしよう。 第18章正義と世界 かつてリカードは、旱魃で料不足が発生したとき、「政府は何をやっているんだ!」と訴える社会運動家たちに対して軽蔑の気持ちを表した。料が足りないのはどうしようもないことだ。それなのにそれをどうにかできるかのように貧しい人々の感情を刺激するのは残念なことだ、というわけだ。 だけど、私はこうしたリカードの非難には反対する。 まず、感情は大事だ。不正義の感覚は間違うこともあるけれど、ともかく検討することが必要だ。不正義の問題を精査するために、まずは感情を出発点とするのだ。怒りが議論に取って代わってしまっ

    【読書ノート】『正義のアイデア』第18章 - 亀の名前を考え中。
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    murashit 2024/08/26
  • 「Binary Hacks Rebooted」が出ます | 雑記帳

    今月(2024年8月)末にオライリージャパンから出る「Binary Hacks Rebooted」というの執筆に、著者の一人として参加しました。私は主に浮動小数点数周りの記事を執筆しました。 O’Reilly Japan – Binary Hacks Rebooted(2024年) サポートリポジトリはこちらになります。サンプルコードなどを掲載する予定です。 oreilly-japan/binary-hacks-rebooted: 『Binary Hacks Rebooted』のサポートリポジトリ また、各Hackの中に踏み込んだ詳細な目次を以下のページで公開しています。購入に迷った際の判断材料にしてください。 Binary Hacks Rebooted 目次 | Akira Kawata オライリーのは全ての書店に並ぶわけではありません。店頭で確認したい方は、オライリーのを扱ってい

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    murashit 2024/08/23
  • 『夜のみだらな鳥』にありがちな誤解 - 白樺日誌

    ホセ・ドノソの『夜のみだらな鳥』は「グロテスク」や「難解」と形容されることが多いです。 作品を宣伝するときは、扇情主義のため、誇張表現を使いがちです。 ですが、実際に作品を鑑賞するときは、そうした粉飾だけに注意すると、鑑賞体験は貧しいものになってしまいます。 『夜のみだらな鳥』は難解ですが明晰で、グロテスクですが、それに淫するのではなく律しています。 以下、説明します。 第1に、『夜のみだらな鳥』を難解に見せているのはグロテスクさの外連のためです。 文芸批評家のミハイル・バフチンは『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』で、グロテスク・リアリズムの概念を提唱しました。グロテスクの無秩序さでは、リアリズムが絶対的に成立するということです。そこで、グロテスクと併せて提唱しているのがカーニヴァルの概念です。 ですが、無秩序を創作するというのは自家撞着です。 『夜のみだらな鳥』

    『夜のみだらな鳥』にありがちな誤解 - 白樺日誌
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    murashit 2024/08/22
  • 『ビデオゲームの美学』の要約と感想|Jey.P.

    数年前にさらっと読んだことはあったのですが、今回、羊谷知嘉さんという人が運営するDiscordサーバーの読書会に参加し、隔週で半年間かけて輪読しました。 (読書会はカジュアルな雰囲気で、聞き専を含めると10名以上参加している回がほとんどでした。8月4日から新シーズン『プレイヤーはどこへ行くのか――デジタルゲームへの批評的接近』に入るので、興味のある方はサーバーにお越しください。) このは、ビデオゲーム(デジタルゲーム)とは何か、どのような要素や特徴があるのか、などについてのです。一見難しそうですが、ほぼすべての箇所は詳細かつ明晰に書かれており、理解しようと努力して読むならば分かりやすいと思います。 また、ビデオゲームに関する議論や、ゲームデザインに役立つ箇所も多く、有用性の高いでもあります。 せっかく半年間かけて読んできたので、各章の重要な部分をこの記事にまとめます。面白そうだと感じ

    『ビデオゲームの美学』の要約と感想|Jey.P.
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    murashit 2024/08/22
  • 安達貴教『21世紀の市場と競争』 - 西東京日記 IN はてな

    副題は「デジタル経済・プラットフォーム・不完全競争」、GoogleAppleAmazonなどの巨大企業が君臨するデジタル経済において、その状況とあるべき競争政策を経済学の観点から分析したになります。 基的にGoogleのような独占企業が出現すれば市場は歪んでしまうわけですが、例えば、Facebookが強すぎるからと言ってFacebookを分割すればそれがユーザーにとって良いことかというと疑問があります。Facebookは巨大だからこそいろいろな人とつながれって便利だという面もあるからです。 書はこうした問題に対して、「不完全競争市場こそがスタンダードなのだ」という切り口から迫っていきます。 このように書くと難しそうに思えるかもしれませんが、全体的に読み物のような形に仕上がっており、また、高校の教科書の記述などを拾いながら書かれていて、経済学にそれほど詳しくない人でも読めるものにな

    安達貴教『21世紀の市場と競争』 - 西東京日記 IN はてな
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    murashit 2024/08/20
  • 【感想】『留年百合アンソロジー ダブリナーズ』ストレンジ・フィクションズ

    「全然そうは見えません」笹幡みなみ 私のです。 「海へ棄てに」紙月真魚 初対面の新歓で意気投合し酔い潰れて以来の奇縁である漫研の先輩と連絡がとれなくなって数ヶ月、久しぶりに連絡を受けた主人公は、先輩が何かを海に棄てにいくのに同行する。道すがら、先輩は人生の手にしていた人、画家である叔母について語り始めた。 文体が楽しそうで良い。文体が楽しそうでいいな……(二度言う)。正しく大学生らしさというか、まあ、四年ある、四年でない場合もある、それでその先は何をどうするのか、という平凡な大問題があって、主人公なんかはそこにある種の折り合いが付けられる人間で(でもそういうそつなくこなすって顔しとる割に教授と面談中にメッセージ返すのはやめなさい)、という地面がありながら、サブカル的青春な出会いであったり、先輩と叔母の人生の物語の遠さであったりの絶妙なミックス具合が良く感じられた。遠くへいってしまった人の

    【感想】『留年百合アンソロジー ダブリナーズ』ストレンジ・フィクションズ
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    murashit 2024/06/15
    うおおおおお!!!!!!!(だいたい合ってる)
  • 『初夏ものがたり』のこと |山尾悠子

    「初夏ものがたり」の初出は、1980年発行の集英社コバルト文庫『オットーと魔術師』。短編集の中に書き下ろしとして収録された。作者25歳のこと。同じ年に徳間書店より長編『仮面物語 或は鏡の王国の記』が出たあとのことで、78年の初出版『夢の棲む街』(ハヤカワ文庫)から数えてこれが3冊目。そもそもこの『夢の棲む街』を読んで下さった「小説ジュニア」の若い女性編集さんが声をかけて下さり、可愛らしい短編「オットーと魔術師」「チョコレート人形」などぽつぽつ書いて渡していたのだが、残念ながらご病気により担当降板。交代した男の編集さんから「200枚書き足して文庫を出しましょう」と連絡があり、すぐさま応じて書き下ろしたのがこの「初夏ものがたり」ということになる。ーー国書刊行会から昨年復刊された『仮面物語』の後記にも書いたことだけれど、この時期、若かった私は早書きとささやかな量産体制にあったのだ。〈寡作〉な現在

    『初夏ものがたり』のこと |山尾悠子
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    murashit 2024/05/27
  • 『ルールズ・オブ・プログラミング』を読んだ #iknowtherulesjp - Don't Repeat Yourself

    Ghost of Tsushimaなどを作った会社の人が書いたです。ゲーム開発におけるコードを書く際の教訓を整理し、改めて示し直したいい一冊だったと思います。大事なことですが、著者は決して「このルールを絶対使え」と言っているのではなくて、そもそもまず会社の製品の特性上、このようなルールを敷いておくと品質や生産性を高く保てたという前提があり、その前提を元に「ルールを選び取って自分たちのコーディング哲学を構築しよう」と推奨しています。 ルールズ・オブ・プログラミング ―より良いコードを書くための21のルール 作者:Chris Zimmermanオーム社Amazon この手のでは『リーダブルコード』がよく薦められる傾向にあると思います。私にとってもリーダブルコードは確かに駆け出しの頃すごく役に立った記憶はあるのですが(もう10年くらい前に読んだので正直忘れた)、そこから知識がアップデートされ

    『ルールズ・オブ・プログラミング』を読んだ #iknowtherulesjp - Don't Repeat Yourself
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    murashit 2024/05/27
  • 【ネタバレ感想】ストレンジ・フィクションズ「留年百合アンソロジー ダブリナーズ」 - 新薬史観

    記事は、拙作も収録されているストレンジ・フィクションズ「留年百合アンソロジー ダブリナーズ」の感想記事です。 booth.pm ネタバレの可能性があるので、記事はアンソロ読了後に読むことをオススメします。アンソロを持っていない方は今すぐ買おう!と言いたいところなのですが、有り難いことに手持ち分はすべて完売したらしく、在庫はゼロです。すみません……。どうしても読みたいという方は(私と交流がある人に限り)、直接お貸しすることも可能ですのでお申し付け下さい。借りたらちゃんと返してね。 それでは収録作の感想を投げていきます。なお、並びは掲載順です。 笹幡みなみ『全然そうは見えません』 紙月真魚『海へ棄てに』 鷲羽巧『still』 茎ひとみ『切断された言葉』 小野繙『ウニは育つのに五年かかる』 murashit『不可侵条約』 孔田多紀『パンケーキの重ね方。』 織戸久貴『春にはぐれる』 笹幡みなみ

    【ネタバレ感想】ストレンジ・フィクションズ「留年百合アンソロジー ダブリナーズ」 - 新薬史観
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    murashit 2024/05/22
    うおおおおおおおお!!!!!(実ウなのがバレてるな)
  • 『情報セキュリティの敗北史』を読んだ - chroju.dev

    https://www.hakuyo-sha.co.jp/science/security/ 面白かった。タイトル通り歴史をつづったであり、純粋な技術書というよりは読み物としての性格が強い。具体的なセキュリティインシデントも当然登場するが、その技術背景が詳しく掘り下げられるわけではない。「SQLインジェクション」「カーネル」など、専門家にとっては基的な用語にも注釈がついているので、むしろ専門外の方でも広く読めるようにした文芸書に近いのかもしれない。ちょっと違う気はするが、『失敗の質』情報セキュリティ版、みたいな趣だろうか。 歴史の範囲はENIACの誕生から2020年前後までであり、およそ現代における電子計算機の発展の歴史を概観する形になる。複数ユーザが1つのコンピュータを共有するタイムシェアリングシステムの確立、数多のコンピュータがネットワークで接続されたインターネットの誕生、急速に

    『情報セキュリティの敗北史』を読んだ - chroju.dev
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    murashit 2024/05/18
  • ストレンジ・フィクションズ臨時増刊への寄稿 - TBCN

    最近このブログではストレンジ・フィクションズへの寄稿の告知しかしていませんがまた寄稿したので告知します。 ストレンジ・フィクションズ臨時増刊『ダブリナーズ 留年百合アンソロジー』 初売りは5月19日の東京文学フリマ38です。 詳細は以下のリンク先ご覧ください。 https://booth.pm/ja/items/5701387 https://note.com/strange_fics/n/nc3f0b54c88c2 * 以下は収録作の紹介と感想です。 ①笹幡みなみ「全然そうは見えません」 ストレンジ・フィクションズは同人メンバーでも落としてしまう人もいるのですが、笹幡さんはなんとゲストにもかかわらずこの臨増企画には皆勤賞。で、前二号ではどちらも飛び道具的な話だったのですが、今回はなんと正統派。テーマへの堂々たる取り組みぶりに驚きました。まさに巻頭を飾るにふさわしい一篇です。あと細かい点で

    ストレンジ・フィクションズ臨時増刊への寄稿 - TBCN
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    murashit 2024/05/16
    うおおおおおお!!!!!!(横田創み、こういうのやると出てしまいがち(好きなので……))
  • 『新古今和歌集』 - sekibang 3.0

    新訂 新古今和歌集 (岩波文庫 黄 101-1) 作者:佐佐木 信綱 岩波書店 Amazon 丸谷才一の『後鳥羽院』から興味をもって『新古今和歌集』を読んでみる。古文に関しては過去に小西甚一の参考書を読み流しただけで、ほとんど馴染みがないのだが(受験勉強でもかなり苦手だった)、ずっと昔に読んだ『万葉集』よりかは時代が新しいこともあって、普通に読めるものも多い。岩波文庫版では訳文もつかず、漢字も旧漢字でかなり読みにくいのだが、気になるものがあればネットで調べればよろしかろう。いくつかこれは素晴らしいな、と思えた歌があったので、以下、日記やXにメモっていたものをまとめておく。 霜まよふ空にしをれし雁がねのかへるつばさに春雨ぞ降る まずは、藤原定家。この飛んで帰っていく雁の翼に春雨が降っている、というヴィジョン! おそらくそんなものは現実には見えもしないであろうに定家のキャメラはしっかりとその姿

    『新古今和歌集』 - sekibang 3.0
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    murashit 2024/05/13
  • “新進作家”、レジェンド・エリスンに嚙みつく?――ハルキムラカミによる若干のSF批評に就いて - 街道日誌

    村上春樹の作品についてはさまざまな人がさまざまなことを言っているが、ある種の作品がSFの質を帯びているのは疑い得ない。「SFマガジン」が2006年に行ったオールタイムベスト・アンケートでは、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』は国内SF長編48位にランクインしている。 さて今回は筆者が偶然発見した村上によるエリスン『死の鳥』書評を紹介する。氏がそのを「読んでいた」ことそのものは、翻訳家・風間賢二氏のエッセイ集『快楽読書倶楽部』(創拓社)によって熱心なSFファンの間ではこれまでも知られていた。ただ、この記事は風間氏が早川書房の編集者であった時代、喫茶店で原稿の受け渡しをした際に村上が『死の鳥』について言及した、と書いてある程度で、村上自身がエリスンについて書いた文章が存在するとは筆者はまったく知らなかった。また、インターネット上にもこの書評に言及しているサイトが見当たらないので

    “新進作家”、レジェンド・エリスンに嚙みつく?――ハルキムラカミによる若干のSF批評に就いて - 街道日誌
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    murashit 2024/05/10
  • 文学の同人誌を作って頒布するまで #5 (企画編) - 文フリ東京17日前|「Quantum」合同編集部

    議題:「美学の観点」から小説を考える企画って、どういうこと? 同人誌メイキング、これまでの記事はこちらから!2024年5月19日の文学フリマ東京38が迫るなか、デザイン、校正を経て「Quantum」合同編集部もついに印刷所へのデータ入稿を完了! あとは刷り上がりを待つばかり。 ここからは「PR強化期間」として、合同誌の魅力をひとりでも多くの方に知ってもらいたい……ということで、金曜夜にオンライン会議をすることになりました。 石田幸丸(PR・デザイン・DTP担当):PR目標の達成度と肩こりが気になる。入浴剤のストックが増えていく。岡田進之介(企画・校正担当):とにかく眠い。なぜか最近人から野菜をもらうことが多い。石田「すみません、突然お呼びたてして」 岡田「いえいえ、入稿おつかれさまでした」 石田「入稿当日はXのスペースでリアルタイムに配信しながら作業していましたが、面白がってくださった方も

    文学の同人誌を作って頒布するまで #5 (企画編) - 文フリ東京17日前|「Quantum」合同編集部
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    murashit 2024/05/08
    インタビューがわりとどれもおもしろかった
  • 書評 「善と悪の生物学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    善と悪の生物学(上) 何がヒトを動かしているのか 作者:ロバート・M・サポルスキーNHK出版Amazon善と悪の生物学(下) 何がヒトを動かしているのか 作者:ロバート・M・サポルスキーNHK出版Amazon 書は,ストレスについての神経生理と行動の研究者で,アフリカで長年ヒヒの観察をしたことで知られるロバート・サポルスキーによるヒトの行動(特に暴力と攻撃と競争)についての一冊.進化生物学,脳神経科学,心理学の至近要因,究極要因の両方を含む広範な知見が簡潔に紹介され,著者自身の様々な考察が述べられている重厚な一般向け啓蒙書だ.サポルスキーは2001年に自伝的な回想録「A Primate's Memoir: A Neuroscientist's Unconventional Life Among the Baboons」を出しており(邦訳書は「サルなりに思い出すことなど」で2014年刊行)

    書評 「善と悪の生物学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
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    murashit 2024/05/08
    きになるけどさすがにちょっと重たそうだな……
  • 『留年百合アンソロジー ダブリナーズ』に寄稿しました

    百合――それはふたりの時を留める愛のマジック。 留年――それはあなたの時を止める奇跡のメカニック。 このふたつが出会ったとき、運命が動き出す。 文芸同人サークル〈ストレンジ・フィクションズ〉が贈る番外編的オリジナル百合小説合同シリーズ第三弾... 私は、「全然そうは見えません」という短編小説で参加しております。留年して二回目の大学一年生を始めようとする幸浦さくらが、語学クラスで出会った望月渚との交流を経て、留年の原因と向き合うよすがを得る、それと同時に渚のほうも、さくらに対して思うところがあった、という話です。なんと、巻頭に置いていただきました。読んでいただければ嬉しいです。 他の作品もなんというかこう……念が籠もっている作品ばかりです!(そのうちに感想記事を書きます!) 素晴らしい表紙イラストは、『またぞろ。』の幌田先生。この、どう見ても留年百合が表現されている表紙、すごすぎると思います

    『留年百合アンソロジー ダブリナーズ』に寄稿しました
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    murashit 2024/05/04
    「全然そうは見えません」が冒頭に来てるのはけっこうチャレンジングだとおもう
  • ジェスミン・ウォードの新境地(Let Us Descend by Jesmyn Ward) - 未翻訳小説を頑張って日々読んでいる日記

    ジェスミン・ウォードが現代アメリカ文学を代表する1人であることを否定する人はまずいないだろう。『骨を引き上げろ』(2011)と『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』(2017)で全米図書賞を2度受賞。これまで同賞を複数回受賞した作家は全員「白人男性」であり、「非白人」としても「女性」としても初の複数回受賞作家となったのがウォードなのである。日では、まず『歌え〜』から出版順を遡る形で『骨を〜』、2008年のデビュー作『線が血を流すところ』まで邦訳された(いずれも作品社で、訳者は石川由美子)。 さて、そんなジェスミン・ウォードが『歌え〜』以来の長編Let Us Descend を2023年に発表した。ウォードはデビューから一貫して架空の現代の街ボア・ソバージュを舞台に書いてきたが、今作の舞台は奴隷制が残る時代、カロライナの農場だ。 全300頁だがフォントは大きめなので、邦訳されたら前2作よりは短く

    ジェスミン・ウォードの新境地(Let Us Descend by Jesmyn Ward) - 未翻訳小説を頑張って日々読んでいる日記
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    murashit 2024/05/02
  • ぼくらの七日間戦争

    宗田理氏が亡くなったという報道をみた。ご冥福をお祈りする。 宗田理といえばもちろん『ぼくらの七日間戦争』だろう。自分はまさにその世代(よりはちょっと若い?)。とりわけ熱心なファンというわけでもない自分でも映画は見ているし(せいぜいテレビで放映された時に見ただけだが)、その後に原作も読んだ。その後「ぼくら」シリーズの続編小説も何冊か読んだと記憶している。改めて刊行履歴を見ていると2020年代に入っても続編やら新作やらが刊行され続けている長期シリーズなのであった。すごい話だ。 それはさておき『ぼくらの七日間戦争』だが、今改めて読んでみるとどう思うのか、流石に当時とは違った感じられ方になるのではないか、今読むと面白くないかもしれないが……と色々気になってきたので、読んでみた。当時は角川文庫で読んだと思うが、手元にはないので電子書籍版で買って読んだ。 さて。 確かに感じられ方は色々変わっていたなと

    ぼくらの七日間戦争
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    murashit 2024/04/23
  • 『日本の言語の起源の補綴――La prothèse d'origine de la langue : j(aponaise) 』について - 翻訳論その他

    ようやく『日の言語の起源の補綴』を書き上げることができた。翻訳論のつもりで書いたが、ジャンルとしては、オールドスタイルの――反時代的というべきか――文芸評論にあたる。こんなもの、いまどき誰が読むのか、という気がする。世間的にはまったく無意味な仕事であり、自己満足の賜物というほかない。 14万字、400字詰め原稿用紙換算で350枚になる。 書き始めたのが2018年5月5日だから、6年近くもの月日を費やしている。さらにいえば、同名の記事をこのブログに上げたのが2015年7月10日、構想メモを取り始めたのが2013年5月20日。この程度の文章を完成させるのに10年以上もかけてしまった。文才がなくて、ほんといやんなる。 古文も漢文もろくすっぽ読めない自分であるが、やるだけのことはやったという自負はある。 高密度で書いた。難解なところもあると思う。できるかぎり不遜な物言いを心がけた。読んで不快な思

    『日本の言語の起源の補綴――La prothèse d'origine de la langue : j(aponaise) 』について - 翻訳論その他
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    murashit 2024/04/22
  • ノア・スミス「『技術革新と不平等の1000年史』書評」(2024年2月21日)|経済学101

    ダロン・アセモグルとサイモン・ジョンソンの大著を読んでも,技術革新で自動化が進まないようにする必要があるって話に納得はできなかった. 「人類がなしとげた記念碑的な技術的偉業に目をくらまされてはいけない」――アセモグル & ジョンソン いたるところで「2023年の最重要ビジネス書」のリストに『技術革新と不平等の1000年史』が挙がっていたのは,意外でもなんでもないだろう.まず,著者たち自身の経歴からして,比肩する者がいない.ダロン・アセモグルのことを経済学界の発電所と呼んでも,人の実績にばかばかしいほど釣り合わない: 「2005年から2020年のあいだに経済学のトップ5学術誌に掲載された著者の苗字でワードクラウドをつくるとこうなる」それに,アセモグルは国々の発展を制度から説明する説の主要な提唱者でもある.これまでに,アセモグルは『国家はなぜ衰退するのか』やその続編の『自由の命運』(ジェイム

    ノア・スミス「『技術革新と不平等の1000年史』書評」(2024年2月21日)|経済学101
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    murashit 2024/04/20