レスリングの吉田選手も、それから体操の内村選手も、今は先のことは考えられないと話をしている。試合を終えた選手としては当然の心境だと思う。ゆっくりと休んでほしい。 一般的にアスリートはあふれんばかりのモチベーションを持った人々と思われているが、実際にはそうではない。引退して急にモチベーションをなくす人や、現役時代でも競技以外には全く頓着しない人もいる。私の実感としては、アスリートは、もちろんすさまじい気力の持ち主はいるにはいるが、ほとんどはうまく心の体力を配分している人々という印象がある。 私の現役時代の根本となる考えは「心には体力がある」というものだった。人間の心は使えばすり減るもので、回復させながら使わないといけない体力のようなものだと考えていた。疲れ切った状態で走ってしまえばケガをする可能性が高くなるのと同じように、心が消費された状態で無理して頑張ってしまえば、ある日ぱたっと動けなくな
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