地方紙カメラマン、業界誌記者を経て、2002年よりフリー。現在アジアプレス・インターナショナル所属。産業公害や環境汚染、ゴミ問題などを中心に取材している。 DOL特別レポート 内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する、取材レポートおよび識者・専門家による特別寄稿。 バックナンバー一覧 名古屋市の地下鉄駅で起きた超高濃度のアスベスト飛散。行政は迅速に対応したと発表するが、実際にはさまざまな問題が生じていた。新聞やテレビが伝えない飛散事故の実態を明らかにする。 高発がん性の青石綿が 過去に例がないほど高濃度飛散 愛知県名古屋市の地下鉄駅構内で高濃度のアスベストが飛散し、利用者や周辺住民が曝露したとみられる事故が起こった。 事故が起こったのは2013年12月12日から13日の約2日間。現場は同市の市営地下鉄名港線の六番町駅(同市熱田区)である。名古屋市交通局は同駅
花粉症のシーズンが続いている。今年は花粉の飛散量が2012年より多く、ピークを越えつつあるがまだ悩まされる日が続きそうだ。 春のスギ、ヒノキの花粉飛散量は、10年前と比べて倍増したともいわれる。いまや「国民病」になりつつある花粉症で、抜本的な解決を図るうえでひとつの素朴な疑問が浮かぶ。「なぜ花粉を飛ばすスギをすべて伐採しないのか」。 伐採やその後の植林にもコストがかかる 林野庁の統計によると、2007年3月31日時点で国内の森林面積のうち人工林が41%を占め、そのうち18%、面積にして450万ヘクタールがスギだ。ヒノキも10%にあたる260万ヘクタールにのぼる。これが現時点で最新のデータのため、その後の面積の増減は分からない。 林野庁研究・保全課に「国内のスギ林を一気に伐採できないのか」と聞いてみた。担当者によると、スギ林には土砂崩れのような災害対策に加えて、他の樹木より二酸化炭素の吸収量
東京都が18日に発表した首都直下地震(東京湾北部地震)の新たな被害想定では、前回2006年の試算時より建物の耐震化が進み、倒壊や焼失の被害は減少した。 しかし、揺れが大きくなるため、耐震化や耐火が遅れている木造住宅密集(木密)地域の被害は倍増することになった。こうした地域が減らないのは、複雑に入り組んだ「私権」の壁があるためだ。 都が作成した東京湾北部地震による都内の被害分布図。23区では東部と西部ともに、JR山手線から環状7号線付近にかけて、倒壊や火災による大きな被害が出ることを示す赤や黄のエリアが広がる。図は「木密」のエリアとほぼ重なる。 「強制力がないと対策は進まない。1人の反対で9人の命を危険にさらすわけにはいかない」。都都市整備局の幹部は、首都防災で最大の弱点とされる木密対策への決意を口にした。 都は30年以上前から建て替えへの助成など木密地域の対策を講じてきたが、耐震化率や燃え
琵琶湖西岸の松ノ木内湖(滋賀県高島市)で1日朝、東映京都撮影所(京都市)の撮影クルーが水鳥が飛び立つシーンを撮るため爆竹を鳴らした問題で、約180羽いたコハクチョウが2日朝、姿を消したことが「日本野鳥の会滋賀」の調査で分かった。メンバーは「ねぐらが危険と判断し、逃避した可能性が高い」とみており、秋に戻ってくるか心配している。 コハクチョウを観察している同会員や地元住民団体によると、コハクチョウは通常、日の出後に餌を求めて松ノ木内湖を飛び立つが、日の出前の2日午前6時20分ごろに既に姿を消していた。天候にかかわらず、普段は周囲の田んぼで餌をついばむ姿が見られるが、確認できなかった。通常、一斉に姿を消すことはないという。 湖北野鳥センター(同県長浜市)の植田潤さん(42)は「琵琶湖北部の塩津湾一帯(長浜市)ではこの日朝、普段の約6倍の300羽以上が確認された。爆竹で脅された湖西のコハクチョウが
【オスロ篠田航一】ノルウェー連続テロ事件で逮捕されたアンネシュ・ブレイビク容疑者(32)が事件直前にインターネット上に掲載したとみられる文書の中で、爆薬を購入するための「隠れみの」の起業などを通じてテロを09年から計画、爆弾作りに「80日間かかった」と記していたことが分かった。警察当局は動機解明につながる証拠とみて文書の分析を進めている。弁護士によると、容疑者はノルウェーの「社会変革」「革命」を望んでいたとされ、周到に準備を進めていた経緯に光が当てられつつある。 「2083 欧州独立宣言」と題されたネット文書は約1500ページに上る膨大な分量で、容疑者が記したとみられる政治思想や日記などで構成されている。文書で容疑者は「私は第二次世界大戦以降、最大の(ナチの)怪物との烙印(らくいん)を押されるだろう」と自身をナチスドイツになぞらえ、銃を構えるなどポーズを取った写真を載せている。 また、文書
「平和の国」ノルウェーを襲った22日の連続テロ事件は、当初はイスラム過激派の犯行を疑う見方もあった。だが、逮捕されたのは逆に欧州で増加するイスラム系移民に反発する極右思想の青年だった。事件の動機と背景を探った。【ロンドン笠原敏彦、前田英司】 ◇容疑者は極右青年 ノルウェーからの報道によると、警察当局に逮捕されたのはアンネシュ・ブレイビク容疑者(32)。インターネットへの投稿や地元メディアの報道から浮かび上がる人物像は、移民に寛容な北欧型の「開かれた社会」に反発を増幅させていった姿だ。自らを「愛国主義者」などと評し、その言動には自己陶酔の世界さえ垣間見える。 「信念ある1人の人間は(自らの)利益しか考えない10万人分もの力に値する」。ブレイビク容疑者が簡易型ブログ「ツイッター」に18日残した犯行予告とも読めるつぶやきは、19世紀の英国人哲学者ジョン・スチュワート・ミルの名言をまねたものだった
Norwegian prime minister and leader of the Labour Party, Jens Stoltenberg, (C) and others hold flowers at a memorial gathering in Oslo on July 29, 2011 Credit: Photo: AFP • Death toll raised to 77 as first funerals for victims held • PM calls massacre a day when Norway was "struck by evil" • Two psychiatrists appointed to assess Breivik's mental health • Breivik questioned for second time • Police
国際テロ組織アルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディン容疑者の殺害は、対テロ戦争に大きな転換点を与えることになった。この殺害をめぐり、米国に賛辞を贈る意見とともに、米国のやり方に批判的な意見が生まれている。対米批判は2点で受け入れ難い。 ≪フセイン捕縛とは状況違う≫ 第1は、米国が丸腰の容疑者を殺害したのは公正ではない、米国はビンラーディン容疑者を捕縛し法廷で裁くべきであったとする点である。実際、5月2日に起きたことを報道で判断する限り、捕縛の可能性はなかったというべきである。潜伏先では、急襲した米海軍特殊部隊に銃を向けた側近がいたし、ビンラーディン容疑者を守るために女性が盾になった。そのうえ、容疑者が丸腰だったことはその場では確信できなかったし、何よりも急襲部隊は彼が自爆するのではないかと思ったとのことである。イラクのサダム・フセイン元大統領の拘束と対比する向きがあるが、フセイン元大統領
核の脅威を描いた話題作試写会で、前原外務大臣と河野太郎議員がガッチリ握手2010年10月21日06時00分 / 提供:去り際に河野太郎議員(左)と握手を交わした前原誠司外務大臣(右) 核の脅威を新たな視点でとらえたドキュメンタリー『カウントダウンZERO』の議員試写会が、10月20日に衆議院第1議員会館で開かれ、前原誠司外務大臣と、核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)日本支部会長の河野太郎議員が上映前に挨拶を行った。 本作は、地球温暖化の危機を追った『不都合な真実』のスタッフが手がけた作品。世界中で作られている核兵器が非常に粗末に扱われ世界を危険にさらしているという事実、いつテロリストの手に渡ってもおかしくない現状を、各国首脳や専門家、元CIA工作員などの証言で明らかにしていく。 9月にニューヨークで行われた核軍縮・不拡散に関する外相会合に出席した前原大臣は、「究極の目的である“核のない世界
12日午前6時10分ごろ、愛知県刈谷市一里山町金山のトヨタ車体富士松工場に出勤した従業員が、製造途中の車の中で男性が倒れているのを発見した。県警刈谷署が調べたところ、男性は同工場に勤務する40歳前後の期間従業員で、すでに死亡していた。車内から硫化水素が検出され、近くに遺書があったことから、同署は自殺とみている。 同工場はトヨタ自動車の人気ハイブリッド車「新型プリウス」の生産拠点の一つ。同署によると、現場は製造した車の最終点検を行うライン上で、男性は「硫化水素充満中」と書かれた紙が張られたプリウスの車内に作業着姿で倒れていたという。影響で同ライン周辺が一時立ち入り禁止になり、操業が約4時間遅れた。【山口知】 【関連ニュース】 <今月は自殺対策強化月間>福島・内閣府特命担当相らが街頭キャンペー 夫よ、父よ、抱え込まないで−−逃すな「自殺サイン」 ネットカフェ:男性自殺 硫化水素検知し
発射された光線は、風船を一瞬で割るほどの威力だった−。国の安全基準に適合しないレーザーポインターを販売したとして、大阪市の輸入雑貨販売会社の経営者(35)ら2人が、消費生活用製品安全法違反容疑で大阪府警阿倍野署に逮捕された。レーザーポインターは会議などで指示棒代わりに活用される一方、光線が目に入って負傷するケースが頻発。事態を重くみた国は規制を強めてきたが、今回の事件は危険な製品が堂々と売られている現状を明らかにした。「儲けることだけで危険性なんて考えていない」。捜査員が憤る違法販売の実態とは…。(山本祐太郎) ■捜査員が落札 「インターネットのヤフーオークションで違法なレーザーポインターが売られている」 大阪府警に情報が寄せられたのは、昨年5月。捜査員が検索すると、すぐにそれらしき製品がいくつもヒットした。 捜査員は、そのうちの1つを落札。1円から始まった入札額は、最終的に7千円
南極海で日本船団に対して調査捕鯨妨害を続ける反捕鯨団体シー・シェパードが11日夕から12日未明(日本時間)にかけて、捕鯨船にロケット弾を発射するなど、新たな攻撃を行った。監視船「第2昭南丸」のデッキにいた乗組員3人が酪酸弾の飛沫(ひまつ)を浴び、船内で手当てを受けた。顔面などが腫れる症状があるという。 シー・シェパードは母船スティーブ・アーウィン号(オランダ船籍)と今回のキャンペーンで新たに導入された新抗議船ボブ・バーカー号(トーゴ船籍)の2隻態勢で、日本船団を攻撃。ヘリコプターが異常接近して、航行を邪魔したほか、高速ゴムボートも出動させ、捕鯨船のスクリュー破壊を狙って、海中にロープが投げ込まれた。 また、高速ゴムボートからは、到達距離が伸びるランチャーから酪酸弾が投てきされ、捕鯨船の乗組員が飛沫を浴びた。この様子は、米CS放送局のアニマル・プラネットのカメラマンが撮影。映像は、今年夏から
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