「唐藍」を売り込む手紙=福井市下馬町の福井県文書館、足立写す日本最古級の見本品とみられる「唐藍」=福井市下馬町の福井県文書館、足立写す 江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎らが愛用していたプルシアンブルーと呼ばれる顔料が、福井県池田町の旧家で見つかった。当時は輸入品がほとんどで、鮮やかな濃い青色から「唐藍(からあい)」と呼ばれ珍重されていたが、今回の顔料は江戸末期に作られた国産最古級の見本品とみられるという。 かつて庄屋を務めた飯田家から福井県文書館に寄託された古文書などの中から見つかり、手紙に添えられた和紙の包みの中に約1グラムが入っていた。手紙は江戸末期に京都の人物から鯖江藩(現在の福井県中部)の特産品を扱っていた飯田家にあてたもので、「青酸加里(カリ)と硫酸鉄を混ぜると、たちまち藍色になる。見本を送る。製法はまだ国内になく、藩が取引に応じるなら早急に連絡を」との内容がつづられていた。