「廃棄した」はずの交渉関連記録、首相の妻に言及する音声データ。29日に始まった衆院予算委員会では森友学園への国有地売却が再び焦点となり、昨年の特別国会以降に判明した新事実をもとに野党は追及を強めた。政権側はこれまで通りの答弁を繰り返し、真相究明は進まなかった。 野党が矛先を向けたのは、昨年7月に国税庁長官に就任するまで答弁に立ち続けた財務省の佐川宣寿・前理財局長だ。 一つは、売却までの経緯を記した文書が残されているかどうかに関する答弁。佐川氏は「廃棄した」と説明していたが、近畿財務局が今月になって新たに開示した内部文書には「(新たなごみの)撤去費を反映させた評価額で買い取りたい」などとする学園側の要望事項や国の対応方針が明記されていた。 この日、会計検査院の報告が出る前日まで検査院にこの文書が提出されていなかったことも判明し、野党側は「佐川氏が隠した」と批判した。麻生太郎財務相は「検査の過