安全保障上の観点から日本の当局が警戒を強めている中国の海洋調査船が、ことし4月、民間企業から委託を受け日本の領海を調査する寸前に、当局に情報を把握され、中国に引き返していたことが分かりました。日本の関係省庁などは、海洋データが流出すれば国益に関わるとして警戒を強めています。 こうした中、中国の海洋調査船「海洋地質10号」が、秋田県沖で計画されている洋上風力発電の建設に向けた海洋調査を、外国企業の日本法人から委託され、ことし4月、現場海域を調査する寸前だったことが、海上保安庁などへの取材で分かりました。 関係者によりますと、調査の数日前、船が新潟港に入港した段階で、海上保安庁を通じて関係省庁が調査予定の情報を把握したということで、その後、船は調査を行うことなく中国へ引き返しました。 日本の法律では届け出が受理されれば、外国船による領海などの調査を規制できない現状があり、船も通常の手続きを経て