G7に招待されて来日した韓国・尹錫悦大統領は、中ロとの中立外交の放棄を明確にしたことで、国際社会で存在感を見せつけた。 では、日韓関係は今後、どう展開されるのか。G7では懸案の歴史問題の転換点につながる事件が起きていた。 前編『ドイツ首相が30年ぶりに韓国を「単独訪問」して明らかにした「日韓関係」大変化への「賞賛」の中身』に続き、元駐韓国特命全権大使の武藤正敏氏が解説する。 日韓「歴史問題」を変える尹大統領の言葉 日韓両首脳が韓国人原爆犠牲者慰霊碑に並んで参拝した。 この慰霊碑は在日本大韓民国民団広島本部の主導で1970年4月に設置され、在日韓国人らの要望で、1997年に平和公園内に移設されていたものである。1945年8月6日の原爆投下により、2万人余りの韓国人が命を奪われていた。 参拝を終えた尹大統領は、「私たち(日韓首脳)が一緒に参拝したことは、韓国人原爆被害者に対して追悼の意を伝える