ケニアの穀物の茎に群がるバッタの大群 Bloomberg 新型コロナウィルスの感染拡大が、世界の食料市場にも影響を及ぼし始めた。問題は、新型コロナウィルスの感染拡大による農業生産への影響と移民労働者不足に加え、港湾での荷役作業遅延、トラック運転手の敬遠などから輸出規制の動きが重なり、世界同時多発で、食料連鎖危機が起きる懸念がでてきたことである。食料自給率が4割に満たない日本にとっても大きな脅威である。 <「世界同時多発食料危機」が自給率4割の日本を襲う(後編)=柴田明夫(資源・食糧問題研究所)> まずコロナ禍による移動規制で世界中の経済活動や物流が寸断されたことで、食料市場では「過剰」と「不足」という現象が同時並行的に生じている。 それは、一国内では「農村部での過剰」と「都市部での不足」であり、付加価値面では、「(国産)高級食材の過剰」と「(輸入に依存した)業務用の安価な食材の不足」である