ベストセラー『がんばらない』の著者で諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏は、チェルノブイリの子供たちへの医療支援などに取り組むとともに、震災後は被災地をサポートする活動を行っている。その鎌田氏が、団塊世代の生き方について語る。 * * * 団塊の世代は700万人いるといわれている。これからは困難な老後が待っている。そして大量死の時代がやってくる。僕は64歳。団塊世代の真っただ中にいる。 このごろ、親を見送った友人たちから、葬式の理不尽さを何度も耳にするようになった。戒名料は「院」がつくだけで、100万円も取られたとか、主にお金の話が多い。 僕の親友に住職がいる。長野県松本市にある神宮寺という臨済宗の寺の高橋卓志さんだ。彼はユニークで「神宮寺は何宗ですか」と尋ねられると「皆の衆です」と答える。どんな宗派でも、誰が来てもいいのだという。 僕は何度か彼の執り行なう葬式に立ち会ったことがある。関西から来