盆栽は、日本では「老人の趣味」と思われがちかもしれないが、実は、スイスには多くの盆栽愛好家がいる。その第一人者は、日本盆栽協会などの支援で始まった「世界盆栽コンテスト=World Bonsai Contest」で、2000年に欧米人として初めて大賞を受賞したスイス人庭師のピウス・ノッター氏(58歳)だ。 ノッター氏は1970年代後半から盆栽のセミナーを開き、1980年代以降は『Bonsai - Über 50 Fragen und Antworten』などドイツ語の盆栽の解説書を次々に出版。スイスで盆栽協会を設立し、盆栽や日本庭園を通じて、日本の美、クール・ジャパンの伝道者となっている。 保険会社勤務のストレスが盆栽で癒やされて、庭師に チューリヒから車でおよそ30分、ノッター氏が経営する造園会社「ナチュラル・アーツ・サービス」には、古い農家の建物の前に大型盆栽や植木、石を配した庭園をしつ