しかし、そんな中で日本が直面する領土問題を解説するにあたり、「北方領土」を「竹島」「尖閣」と並列して解説する記事が多かったことにはかなりの違和感を覚えた。 この3つの領土問題を日本の立場から見る時、北方領土は竹島、尖閣列島とは大きくその問題の性格が異なる。 すなわち、北方領土問題のみが、日本、ロシアという当事者両国がその問題の存在を認め、解決に向けて努力する方針を打ち出しているからである。 竹島、尖閣問題は、他国が自らの領土であるという主張をもって、合理的領有権を持つ我が国から島を奪取しようという一方的な動きであり、他国がその領有を断念しない限り解決の方法がない、という点において、あきらかに北方領土問題とは異なる。 そして、何よりも、4島に実際にロシア国民が住んでいて、それゆえにロシアによる実効支配が成立している点も竹島、尖閣にはない、北方領土問題の特別な性格である。 終戦時の人口を大きく