Connecting decision makers to a dynamic network of information, people and ideas, Bloomberg quickly and accurately delivers business and financial information, news and insight around the world.
かくれんぼ 祖母が住んでいた町屋は子供ころの私にとって楽しい遊び場だっ た。1800年代前半に700平方メートルの敷地に建てられた木造二階屋は 二棟続きで、たくさんの部屋や通路、階段があり、かくれんぼをするに はちょうどいい場所だった。 今は、豆腐レストランやバー、ラジオ局などがテナントとして入っ ている。玄関には、当時の奈良では多分最初であろう電話室が今もその まま残っている。祖母の家に遊びに行くのを楽しみにしていたもう一つ の理由は、私や妹、弟にお菓子やジュースをたくさん振る舞ってくれた ことだった。 祖母の裕福な生活は、第二次世界大戦の最中に突然終わりを告げ た。政府が戦時中に米の統制を始め、米問屋を廃業せざるを得なくなっ たからだ。また代々、米問屋の事業を拡大するために稼いだお金で田ん ぼを買い、作付け面積を増やそうとしていた。それも1947年の農地改革 で取り上げられ、小作農家に
粟谷恵子さん(85)は戦争で一度は あきらめた英語を学ぶという夢を蓄えた資産を使い海外でかなえた。こ うした高齢者による消費支出のうねりが日本経済を支える力ともなって いる。 粟谷さんは、シニア向け雑誌を出版する「いきいき」(東京都)が 企画する約1カ月間の海外短期留学プランに2度参加した。米ボストン と英国の2カ所が滞在先で、費用はそれぞれ約130万円。「この年にな ると、先は短い。このくらいは使っても大丈夫と考えた」と粟谷さん。 海外旅行や留学への体力づくりのために週に2度ジムに通って汗を流 す。 60歳超の高齢者が保有する金融資産は900兆円とされる。「いきい き」の留学事業などは、シニアの記憶にある1980年代のバブル時代の消 費熱を呼び覚まし、金融資産が消費に向かう扉を開く。 ジェロントロジー(高齢社会総合研究)などを専門とするニッセイ 基礎研究所の前田展弘研究員は「日本企業はシ
大衆主義を唱えるポピュリストたち の「われわれは99%を占める」というスローガンを打破するのは難し い。ただ、この大衆行動はこれまで首尾一貫したメッセージと議題を欠 いていた。これからは違う。 ノーベル経済学賞受賞者で米コロンビア大学教授のジョゼフ・ステ ィグリッツ氏は鉄鋼の街、インディアナ州ゲーリーで育った。刺激的な 新著「The Price of Inequality」で取り上げたこのテーマについて数 十年にわたって研究を続けている。 教授の結論はこうだ。米国人の1%が所得の5分の1を稼ぎ、富の 3分の1以上を支配すると、経済成長や民主主義、上流階級そのものさ えもが支障を来す事態となる。まさに今日の状況が示すように-。 ジャーナリストのロバート・フランク氏が「リッチスタン」と呼ぶ 居住者についてスティグリッツ教授は「富裕層は世間から隔絶されて存 在しているわけではない。彼らは地位を維
1月27日(ブルームバーグ):多くの人がとっくの昔に決着したと考えていた問題をめぐって、熱い論争が突如巻き起こった。日本経済が世界にとって取るに足らない存在になるかどうかという問題だ。 発表されたばかりの統計では、昨年の日本の貿易収支が31年ぶりの赤字に転落した。少なくともこの事例が意味することは、膨れ上がる債務の穴埋めに利用してきた巨額の家計貯蓄を今度は貿易赤字対策に使わなければならなくなるかもしれないということであり、これは不吉な兆候だ。 日本が無用の存在になるようことはないと、アイルランドのジャーナリスト、エーモン・フィングルトン氏は言う。同氏は最近、米紙ニューヨーク・タイムズに「The Myth of Japan’s Failur(日本の失敗という神話)」と題した論説を寄稿した。失敗どころか日本は世界が模倣すべきモデルだという同氏の説があまりに大きな反響を呼んだため、ノーベル経
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く