働くしかない 夢に見た悠々自適の引退生活は過去の話か BSIP-Universal Images Group/Getty Images 多くの先進国の参考になりそうなアイデアが聞こえてきた。オーストラリア政府が今月、年金支給開始年齢を70歳に引き上げる方針を示したのだ。 年金支給年齢の引き上げは、かねてから人口統計学の専門家や政策通の間で検討されてきた。今のままでは、多くの国で個人が年金を支払う期間より受け取る期間が長くなってしまう。破綻を避けるには支給開始年齢を遅らせるのが理にかなっている。 それだけではない。まず、介護を必要としないで健康に生活ができる「健康寿命」が延びていることで(高齢者医療などの)費用負担が抑えられている。それに、自分で自分の面倒が見られるうちは自立するのが本来の姿だ。 オーストラリア国民の平均寿命は年金制度が始まった1908年には50歳台だったが、今や82歳を超え