2016年6月株主総会シーズンが始まろうとしている。本稿においては、2015年6月以降の政府や機関投資家の動き、2016年2月・3月株主総会の動向等を整理した上で、2016年6月株主総会シーズンの動きを見通していきたい。 2015年6月以降の政府や機関投資家等における主なガバナンスの動きを整理したのが図表1である。政府の動きとしては、コーポレートガバナンス・コード(以下CGコード)の適用開始(初年度提出期限は定時総会開催後の6か月以内)(2015/6)、会社法の解釈指針の公表(2015/7)、スチュワードシップ・コード(以下SSコード)及びCGコードのフォローアップ会議の開催(2015/9)、役員報酬に係る税制改正(2016/4)等があげられる。施策の特徴としては、従来の制度整備(改正会社法による社外取締役の実質的な導入義務化、SSコードやCGコード等の策定)から一歩踏み込んだ、実効性を担