日本人がイスラム教を理解できないのも、無理からぬところがある。なにしろ国内にはイスラム教徒が少ないからだ。日本人のイスラム教徒となれば、結婚で改宗した人間にほぼ限られる。しかも、大半は女性である。 しかし、イスラム教は、キリスト教に次ぐ世界第2位の宗教である。信者の数というものは、なかなか正確なところが分からないので、判断がつきかねるところもあるが、今やイスラム教徒の数はキリスト教徒に匹敵するという説さえある。 そうである以上、グローバル化が進む現代において、私たち日本人もイスラム教について関心をもち、そのあり方を知っておく必要がある。 ところが、日本人にはなまじ仏教やキリスト教についての知識があることが、かえってイスラム教を分かりにくくしている面がある。多くの日本人は、イスラム教をキリスト教、あるいは仏教に近い宗教としてとらえてしまっている。 たとえば、キリスト教には、信者になるための儀
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