1.世界の太陽光パネル生産・輸出 太陽光パネルの生産は、前工程に当たる太陽電池用結晶シリコンの製造から始まり、結晶成長を通して高純度で欠陥密度の少ないシリコンウエハーの基になるSi(シリコン)インゴットを作り出し、インゴットをワイヤーでスライスし、ウエハーに加工する。ウエハーを切り取ってセル(太陽電池素子)にし、セルを組み合わせて太陽光パネルに仕上げるモジュールという工程からなる(注1)。 IEA(国際エネルギー機関)の報告書(注2)によれば、これらの工程別でみて、世界の太陽光パネル生産能力に占める中国の比率は、2021年時点で、モジュールが74.7%、セルが85.1%、ウエハーが96.8%、ポリシリコンが79.4%と主要工程のすべてで、ほぼ中国企業が手中にしている。圧倒的な生産能力を構築したことで、中国は世界の太陽光パネル貿易を支配している。IEAによれば、世界の太陽光パネル貿易は、20