まどら出版 1995年7月 「1Q84」について、村上春樹氏は読売新聞のインタヴューなどで、オウム真理教事件がその執筆の出発点となったといっている。「ごく普通の、犯罪者性人格でもない人間がいろんな流れのままに重い罪を犯し、気がついたときにはいつ命が奪われるわからない死刑囚になっていた −そんな月の裏側に一人残されていたような恐怖を自分のことのように想像しながら、その状況の意味を何年も考え続けた。それがこの物語の出発点となった」、と。 これがどうしても理解できないところである。あの当時オウム真理教に入信しなかったひとは圧倒的に多かったわけだが、それは偶然であり、ほんの少しでも状況が違っていれば、誰でもその信者となった可能性があったというように村上氏はかんがえているようにみえる。むしろ時代の病理に敏感であるひとほど入信する可能性が高かった、あの事件にはその当時われわれがかかえていた問題が集約的
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く