全国の池などに生息し、日本の在来種とされてきたクサガメが、大陸由来の外来種だったことが京都大などの研究で分かった。18世紀末の江戸時代に朝鮮半島から持ち込まれたとみられる。交雑により日本の固有種の遺伝子汚染を引き起こしており、国や自治体は保護行政の見直しを迫られそうだ。(長内洋介) 京大大学院の疋田努教授(動物系統分類学)と大学院生の鈴木大さんは本州、四国、九州の計19カ所の河川で野生のクサガメ132匹を捕獲。ミトコンドリアDNAを分析した結果、日本の在来種ではないことを突き止めた。アジア産のクサガメとDNAを比べると、約8割の102匹は韓国と一致した。 一方、江戸時代の動植物を網羅した書物でクサガメを調べたところ、貝原益軒の「大和本草」(18世紀初頭)に記載はなく、小野蘭山の「本草綱目啓蒙」(19世紀初頭)には記載されていたことなどから、18世紀末の江戸後期に日本へ移入されたと推定した。