ゴーマニズム放射線論へ4年遅れの反論 福島の女性を「『騙して安心させよう』としているだけだ」と書いた小林よしのりさんへ 高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター 福島原発事故からまもなく5年だ。ほぼ1年後の2012年4月17日付朝日新聞朝刊「記者有論」に、私は「女性と放射線 心配しすぎる必要はない」というコラムを書いた。この記事に対し、小林よしのり氏が『脱原発論』という単行本(12年8月発行)で「朝日のこのコラムは、『騙して安心させよう』としているだけだ」と書いた。それを知ったのは、発行からかなり経ってからだった。遅ればせの反論をいま試みる。 このコラムを書こうと思ったのは、テレビで福島の女子高生が「将来、結婚できないかもしれない」と言うのを見たからだった。事故が起きた当初にそうした不安が広がったにせよ、1年たってもまだそれが当たり前の不安として語られていることにショック