日本の経済論壇では、なぜか、日本の経済成長はもはや望めな いとする悲観的な論調が勢いを増しています。「日本はもう十分 豊かなので、経済成長は必要ない」とか、「日本経済は成熟化し ており、もはや成長はできない」といった経済成長悲観論が根強 く蔓延しています。 そういう成長否定論の第一人者である水野和夫氏の大ベストセ ラーの著書の冒頭には、次の記述があります。 ――――――――――――――――――――――――――――― 近代とは経済的に見れば、成長と同義語です。資本主義は「成 長」をもっとも効率的に行うシステムですが、その環境や基盤を 近代国家が整えていったのです。私が資本主義の終焉を指摘する ことで警鐘を鳴らしたいのは、こうした「成長教」にしがみつき 続けることが、かえって大勢の人々を不幸にしてしまい、その結 果、近代国家の基盤を危うくさせてしまうからです。 ──水野和夫著 『資本主義の終焉
![●「経済成長否定思想の正体とは何か」(EJ第4007号)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/912d53125ee8857fc4af742f5618ffba6fa827f7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Felectronic-journal.up.seesaa.net%2Fimage%2FE697A5E69CACE381AEE5AE8CE585A8E5A4B1E6A5ADE78E87E381A8E5AE9FE8B3AAE59BBDE58685EFBCA7EFBCA4EFBCB0E381AEE68EA8E7A7BB.jpg)