『週刊ダイヤモンド』 2014年7月5日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1041 「最後は金目でしょ」と発言した石原伸晃環境相が「私の品を欠く発言」と、平謝りに謝った。氏の謝罪通り、発言は著しく品格を欠いていた。環境大臣としての氏の仕事ぶりも、被災者のために粉骨砕身の頑張りを見せるべき地位にあるにもかかわらず、どう見ても評価できない。氏は大反省すべきだと指摘した上で、福島の現状について人々が口を噤(つぐ)んでいる微妙な問題に触れたい。 原子力発電所の事故で全住民に避難命令が出された8町村の住民たちの中に、石原発言は許し難いが的を射た発言だったと言う人が少なくない。福島で復興話となると、議題はいつも補償をどこまで積み上げるかという話題になるとも、彼らは言う。その1人、NPO法人、ハッピーロードネット代表の西本由美子氏が耐え難い実情があると語る。 「悪いのは政府か、自治体か、住民か