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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI (47)

  • 深町秋生の序二段日記

    しかし11月になってからワイドショーばかり見ている。 小室、オバマ、大阪の3キロ引きずり轢き逃げ犯(視聴者の予想を超える犯人のクズぶりに、テレビも発情した犬のように昂奮しっぱなしであった)と、盆と正月と岸和田のだんじりがいっぺんにやって来たような賑わいを見せていた。 で、バラク・オバマである。アメリカ大統領選挙という「篤姫」なんか目じゃない超大河ドラマの、しかもすごいラストを目撃したようで、かなり昂奮してしまった。オバマもマケインもドラマ性たっぷりの人物であり、時代の転換を担う若い黒人候補対反骨と信念の長老という図式もおもしろかった。負けたマケインにしても、来の「共和党のはぐれ牛」というキャラをかなぐり捨てて、この2年間はブッシュに取り入り、キリスト教保守派と和解し、挙句の果てにペイリンというブッシュの女版みたいなおばちゃん(彼女似のポルノビデオがさぞや多くリリースされたことであろう)を

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  • 擬音祭り…… - 深町秋生のベテラン日記

    うむ、ダジャレである。 先日、水木しげるの「昭和史」を読み返していたが、水木先生自身の従軍経験やまんが家として成功するまでの長い困窮時代などがとにかく圧巻で、これを読むと「ごはんはのこさずきちんとべよう」とか「せんそうはよくないよなあ」とえらく殊勝な考えを抱いてしまう。 しかしとはいえやっぱり笑ってしまうのはもう水木印と呼びたくなる「ビビビビビ」というビンタ音(「ビビビビビ……ビン」とおまけがつくこともあり)や、きついニュースを知らされて「フハ!」と水木先生が仰天するところだ。あと雑炊や蕎麦をすするときの「ゾロゾロゾロー」という擬音もいい。 コミック文化の発達がとびぬけてすさまじかったせいか、日の擬音の文化というのはずいぶん成熟しているよなと改めて思った。「ビビビビ」「フハ!」だけで「ああ、水木先生の作品かあ」と擬音だけで誰のものかすぐにわかってしまうというのがその証拠である。こういう

    擬音祭り…… - 深町秋生のベテラン日記
  • 深町秋生の序二段日記

    先日、山形北部の庄内空港に用事があって寄った。 それにしても静かな場所だった。山形県立図書館だってもう少しにぎやかである。図書館以上に人気がないために、アナウンスがむなしく建物内にがんがん響き渡っていた。私は小型のノートPCであちこちうろついては客の少ないファミレスや静かな公園のベンチなどで執筆しているのだが、空港というのもなかなか執筆スポットに向いているかもしれない。人はいなくて落ち着いたシックな雰囲気。アンニュイな午後をすごせそうで、心のなかでシャーデーとか荒井由美の音楽が流れておりました。むろん皮肉だ。 庄内空港には、六木のミッドタウンにも出店している豚料理で有名な平田牧場のレストランが最近できた。東京ではかなり繁盛していて、数少ない県内の優良企業。このレストランのテレビCMも県内ではがんがんかかっていたのだが……空港の閑古鳥パワーに負けたのか、祝日の夕飯どきにもかかわらずおそろし

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  • 深町秋生の序二段日記

    アメリカが清らかだったことはかつて一度もない。われわれは移民船のなかで純潔を失い、それを悔んだことは一度もなかった。アメリカの堕落を特定の事件や状況のせいにすることはできない。最初からないものを失うことはできないのだ。 「アメリカン・タブロイド」J・エルロイ さて町山さん(id:TomoMachi)の新刊「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」を読んだ。 忙しい忙しいと言いつつ、こうして読了&感想文アップをしているのは、このに収録されている週刊現代での連載コラム「アメリカで味噌汁」をすでにほとんど全部読んでいたからでもある。 町山さんのコラムによって、「アメリカという国に対する見方が変わった」という人は多い。週刊現代連載時にはあの屠畜ルポで有名な内澤旬子さんのイラストが載っていて、最終回だっただろうか、「アメリカは大嫌いだったけど、町山さんのおかげで見方が変わりました」とか、正

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  • 深町秋生の序二段日記

    忙しいうえに疲れがとれない。 いやあホントにきつい。こういうときは軽い文章&偏差値低めな映画でも見てしのぎたいなあということで、先日は未見だったザ・ロックの「ワイルド・タウン 英雄伝説」を見ていた。田舎町の保安官が、ギャンブルや麻薬などで街を牛耳る悪漢たちをぶっとい角材でぶっとばすという……かつて映画秘宝誌でてらさわホーク氏が「21世紀に作られたとは思えない作品」と書いてらっしゃったと思う(もちろんそれは褒め言葉だ)。高度なCG世界で華やかに活躍するアメコミ作品が上映される現代で、元プロレスラーが角材持って田舎町で大暴れするという映画もあっていいはずだ。なごむ。 なごむといえば、こちらも負けていない。よく読むのが日ピンサロ研究会のテキストである。 http://www5.ocn.ne.jp/~matrix/pink.htm(日ピンサロ研究会 このトップページは会社や学校で読むのはやめた

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    murashit
    murashit 2008/09/24
    こりゃあいい
  • 深町秋生の序二段日記

    ぶらぶらと自分の街を歩いていると、なんだか90年代のイギリス映画みたいだなあと思った。 「トレインスポッティング」「ブラス!」「フル・モンティ」「リトルダンサー」などなど。みんな落剥していく地方を舞台にしていたと思う。「ブラス!」なんかはもう激烈にサッチャー批判をかますド左翼映画おもしろかった。 山形県南陽市のかつて中心地だったところ、500メートル圏内の錆びれ具合がちょっとすごい。もともと廃墟好きなところがあったが、意外と自分の街というのは盲点だったかもしれない。ひとつひとつは大したことなくとも、それが複数に密集していると、なんだかマイケル・ムーアの地元にも負けないなにかがあるなあと。 そんなわけでケータイで適当に撮影してきた。 元ヨークベニマルというヨーカドー系のスーパー。郊外に移転した。落書きもあって、いい感じに熟成している。2年間くらいほったらかし。 ベニヤ板で覆われているのもポ

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  • 深町秋生の序二段日記

    東京の、とくに風景や散歩関係の書籍となるともう鼻息が荒くなる。 東海林さだお氏はグルメや贈答品のカタログを見ると、いてもたってもいられなくなるらしいのだが、それと同じくらいに私は東京の風景となると、いてもたってもいられなくなる。 というわけで読売新聞の夕刊に掲載されていた「東京の散歩道」が書籍になったというので速攻で買った。これは記者たちが独自の視点で東京のスポットを軽妙な文章と一枚の写真で毎週紹介する名物コーナーで、今回のには141ものスポットが収録されている。 そもそも自分が行ったことのない土地に対して、私は淡くてポジティブな幻想を抱くクセがある。 それはいつもの通学路や通勤路から一外れた路地を目にしたときとか、会社や自宅の最寄り駅で電車を降りるときに、「このまま乗り続けたら、どうなるかな」といった感覚。あるいはまったく聞いたこともない駅名を見たときなどなど。 比較的自由な時間が

    深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生の序二段日記

    でもベストセラーのコーマック・マッカーシー「ザ・ロード」を読んだ。 ピュリッツァー賞受賞作であり、アメリカではすでに180万部の大ヒット。今年の冬には「イースタン・プロミス」で全裸バトルをしては婦女子たちのハートを泥棒したヴィゴ・モーテンセンを主役に据えて映画も公開される予定となっている。(シャーリーズ・セロンやぼくらのキルゴア中佐も出るのだそうな。すごいキャストだ) C・マッカーシーといえば、前作の「血と暴力の国」も「ノーカントリー」として映画化されるアメリカ文学界の重鎮。今回も「血と暴力の国」で見せた幻想的とも現実的とも、どちらともとれる独特の世界観が確立されている。それにしても、作品をかわいい息子に捧げているわりにはむごたらしく、描かれているのは荒廃と絶望の終末世界である。「お前はなにを考えてるんだ」とツッコミを入れたくなるほどヤヴァイ。 明確に書かれてはいないが核戦争後とおぼし

    深町秋生の序二段日記
    murashit
    murashit 2008/09/09
  • 深町秋生の序二段日記

    いやあ、すごいもんみたなあ。すごいすごい。 もうたくさんあちこちで語られている「ダークナイト」である。今日は映画感想。 熱狂的に支持される一方で、けっこう私の友人知人の間では不評であったりする。たしかにこの作品、欠点が山ほどあるし、この映画の米興行成績がスターウォーズを抜いて、タイタニックにまで迫るというのも不思議だ。有名ブロガーのたけくまさんは「隙がない」とおっしゃっていたが、いやあけっこう隙だらけだと思う。 まずアクションの撮りかたが下手だ。いまいちアクションシーンでなにが起きてるのかわからなくなかったり、レーティングの問題を気にしたのか、直接的な残虐さを必要以上に隠していたように見える。そのぶん爆破はよかったが。暴力グルメも納得の味とはちょっと言いにくい。 さらに物語の横軸を司るヒロインのレイチェルを演じたマギー・ギレンホールがちょっと……。主人公と、熱血検事役のエッカート両方から愛

    深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生の序二段日記

    「東京デッドクルージング」おかげさまで評判がよく、書評も徐々に目にするようになり、取材の申し込みも複数あり、ありがたい状況だ。 去年から今年にかけてとにかく取材(と称して)しょっちゅう上京してはあちこち都内をうろついたが、そこで改めてはっきり感じたのが「東京も充分にださくて貧乏で郊外」ということだった。 http://www.hayamiz.jp/2008/08/post-3dc1.html(【A面】犬にかぶらせろ! 『東京デッドクルージング』東京論としてのノワール小説) 1980年代に、映画『ブレードランナー』や『AKIRA』などが荒廃した未来都市のイメージを提示したけれど、その後に続く未来都市像というとあまりパッとしたものではなかったように思う。その荒廃した未来都市のイメージを、この『東京デッドクルージング』は更新しようという意志が感じられる。この作品で描かれた東京をひと言で表すなら、

    深町秋生の序二段日記
    murashit
    murashit 2008/08/25
    一億総東京時代
  • 深町秋生の序二段日記

    出遅れた話題だがコンビニの深夜営業規制うんぬんという話があった。 世の中エコだからコンビニは営業をちょっと控えろというやつ。しかしいつも思うのだが「自粛を要請」という言葉には違和感を覚える。他人に請われてなにかをやめたら、それ自粛とは呼ばないだろう。 それにどうせ規制をくわえるのならコンビニよりもどちらかというと自販機のほうが問題のような気がする。深夜の誰もいかないであろう公園や野球場や公民館の前にでんと設置されていて、いつ買われるかもわからないジュースをひたすら冷やし、もしくは温めつづけてるほうが変だ。しかもこれは昔ゆうきまさみの「究極超人あ〜る」でもネタにされていたが、東北地方をなめてはいけないのだ。じっさい信じられないような山奥の辺鄙な道のそばでもきんきんに冷えたコカコーラや生茶を味わうことができる。また最近の自販機にはゴミ箱すら設置されていないところも多く、ただの売りっぱなしであた

    深町秋生の序二段日記
    murashit
    murashit 2008/08/14
    京都の景観規制にはやっぱり腑に落ちないモノがある / デジキューブ・・・!
  • 深町秋生の序二段日記

    私が住んでいるN市のM集落がちょっと大変なことになっている。今日は私の住んでる町の話。今さらN市とイニシャル表記してもしょうがないのだが。 Mは70戸くらいの田んぼだらけで、お年寄りが多い平凡な田舎の一集落である。 高齢者が多いということもあって、ただでさえ葬式が多いのだが、昨年はこの集落だけで自殺が2件。そしてこれはえらい事故だったので知っている人も多いだろうが、市道を歩くこの集落の小学生の列に車が突っ込み、一人の児童が死亡し、もう一人には重い脳障害が残った。道は見通しのよいストレートな一道だった。 それ以来、集落の住民らは車で子供らを送迎するようになった。ただ農業の繁忙期のときは契約タクシーを使って送り迎えをしているが、たびたびタクシー運転手は事故現場で手を上げる謎の小学生の姿を見かけている。 M集落には小さな神社があり、昨年ここの神木が伐採されている。それがきっかけではないのかとい

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  • 深町秋生の序二段日記

    今週末、たぶん早いところなら明後日には発売されると思う。 今日は自著の宣伝。3作目「東京デッドクルージング」のお話。 2015年の年の瀬。オリンピックが湾岸で開催されるが、格差とインフレですっかりスラム化が進んだ国際都市東京が舞台。 そのころの日は、市場開放路線を取ったおかげで多くの外国人でにぎわう反面、外国人狩りにはげむ暴走族や自警団がうろつき、国粋主義団体や宗教団体が貧乏な若者を洗脳しては自前の私兵を持ち始め、関西のお笑い芸人が首相になり、監視社会&ド貧乏路線をまっしぐらに突っ走り、かなり終末の臭いを漂わせているという状況である。 CIAの業務委託仕事をしている国粋主義団体の民兵倉田は部下をともなって、アジア人が集まる池袋のクラブを襲撃。「人命ほど安いものはない」という価値観のもと、多くの人間を殺害しながら中国政府の要人を拉致して逃亡。しかし倉田らにクラブで殺害された脱北者の肉親が復

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  • 深町秋生の序二段日記

    http://www.sponichi.co.jp/battle/news/2008/07/31/05.html(防衛に水差した興毅 坂田陣営「不愉快」) http://sankei.jp.msn.com/sports/martialarts/080731/mrt0807310822001-n1.htm(挑戦申し出た興毅をバッサリ 金平会長「不愉快」) 金平! プロレスをなめるなといいたいね! 亀田長男のあんなパフォーマンスだけで「プロレスじゃないんだから」だと! 「プロレスはそんな甘いもんじゃない」(ジャイアント馬場) という言葉にあるとおり、プロレスはそんなちっぽけな世界じゃないぞ! というかもうすっかり気の抜けたコーラのようじゃないか。亀田劇場。つまらん! 次の日のみのなんかもう見事な内藤ヨイショ&亀田蔑みがすっかり板についていて。華麗なる転向といいましょうか。芸能界の厳しさを見たよ

    murashit
    murashit 2008/08/01
    テレビ見てるとぜんぶネタにしか思えない時代になってまいりました!
  • 深町秋生の序二段日記

    さて洋泉社の「実録殺人事件がわかる」。どうぞよろしく。私も読んだ。 町山さん、ヨシキさん、柳下さんのいわゆる秘宝方面の職人的なうまさや新宿ロフトプラスワンの名物店員多田さんの歌舞伎町についてのコラムが光っていたが、一番目を引いたのはルポライターの田上順唯さんが手がけた北関東幼女連続殺人事件についてのルポだった。これは当に不気味。 北関東幼女連続殺人事件は、同じく幼女を連続して殺害した宮崎勤とくらべるとちょっと目立たないが、充分におそろしい。なにしろ犯人が捕まっていないのだから。またおそろしいのは犯人だけではない。事件現場である北関東の土地の事情もあいまって、底の深い闇を醸成している。 この事件は79年、栃木県足利市に5歳の幼女の死体が渡良瀬川の河川敷でリュックサックにつめられた状態で発見されたところから始まる。以来、84年にパチンコ店で女児が行方不明、86年にまた女児の誘拐殺人が発生、

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  • 深町秋生の序二段日記

    エコや燃料高騰で自動車が話題になることが多い。 月末となるとガソリンスタンドが大混雑する風景が、新しい郊外の風景として定着しそうだ。月が変わるたびに値上げされているのだから。先月も道路に行列の車がはみ出していて、いたるところの街道に給油待ち渋滞ができていた。 ただでさえ自殺者が多い(凶悪事件なんかさっぱり起きない平和な町だけど、とにかく自殺とひき逃げだけは毎日のように起きている)貧乏タウンだというのに、ガソリンの値上げは地元民にとってかなり痛い。なにしろ自動車がなければどこにも移動できないからだ。 かつて自動車は個人主義のアイコンであり、アメリカ的な自由を示す代表的なアイテムだった。戦後は「おれもいつかは自家用車を」と誰しもが夢を持ち、バブル期は「いつかはアウディ、いつかはパジェロ」とかに変わっていった。車はずっと成功の象徴でもあったのだ。そしてそのころになると誰もが持っているものとの前提

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    murashit
    murashit 2008/07/04
    うちの田舎もそんな感じ。/意外にも「先進事例」ってのは徐々に積み重なってきていたりする。大事なのはむしろ「伝え、考えさせる」ことなんじゃないかというのが最近の暫定的な答え。
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    あ、PVが公開された! 来月発売のperfumeの新曲「love the world」である。 http://www.dailymotion.com/video/x5vo1g_perfume-love-the-world-pv_music(すぐ消えるかも love the worldのPV ニコ動はあっというまに消えた) 私はちょっとある機会があって、少しだけ早めに試聴することができたのだが、夏向けの曲とは思えないほどの落ち着きぶり&クールさに衝撃を受けたのだった。まあ何度も言うように私は大ファンということもあって、思い切り主観的な評価しか下せないのだが、昨年から大ブレイクし、それから「GAME」によってさらにエクストリームな路線を経てたどりついたperfume第一次黄金期を締めくくる包容力のある曲ではないかと思った。実のところ、かなり聴きこんでいるのにまるで飽きがこないどころか、おそろし

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    murashit 2008/06/27
    Perfumeのエントリになると俄然ストレートな愛を見せてくれる深町先生である
  • 深町秋生の序二段日記

    作家石原慎太郎は、前にいたやじ馬の尻に銃弾が当たるのを見た。 昭和40年7月、うだるような暑さに包まれた東京の夕刻。渋谷でのことである。 すでに渋谷は異様な事態に陥っていた。駅前(タワレコのほうだった……)にある「ロイヤル銃砲店」をぐるりと警官やパトカーが取り囲み、またその周囲には、ライフルの銃弾が無差別に飛び交っているにもかかわらず、数千人のやじ馬が集まっていた。石原もまた「渋谷がえらいことになってるぞ!」と友人から聞き、三崎のヨットハーバーに向かう予定を変更して、やじ馬の一人にくわわったのだ。 すでに山手線もストップしてしまい、まるで電線に止まった鳥のように線路には多くの人々が集まっては、事件の行方を見つめつづけ、あるいは店に向かって投石を繰りかえしていた。空には爆音を轟かせながらヘリコプターも飛んでいる。ロイヤル銃砲店に立てこもった少年が次々とライフルを発砲し続けたため、警官とやじ馬

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  • 深町秋生の序二段日記

    「あ、ぼく左翼ですよ。アメリカ大好きだけど」速水さんは初めて会ったときそう言った。 「なに言ってんだろう、この人」 と呆れたおぼえがある。アメリカが好きな左翼なんて聞いたことがない。 その後も拝金主義者だというし、旅人(笑)中田さんをぼろくそにコケにするし、商業主義のアイコンともいえるタイアップソングを礼賛したりと、まあまったく左翼でもなんでもないわけなのだが、とことん反体制で、常に差別されたなにかの解放に向けて闘い続けているのは確かである。タイアップソングも自分探しも今回のケータイ小説についてのも、多くの人間から支持されつつも、徹底的にインテリや年長者から軽蔑されている存在である。 今回の「ケータイ小説的 再ヤンキー化の少女たち」もケータイ小説という被差別文化の解放運動といった意味合いが強い。ケータイ小説を扱った研究書はもう何冊もあるが、このには遊園地のアトラクションのような楽しさが

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    murashit
    murashit 2008/06/10
    アメリカ的
  • 深町秋生の序二段日記

    さてプロ野球も格的に開幕である。 などとスポーツの話題をするわけでもない。普通のエッセイ。 プロ野球はほとんど無関心なのだが、それでもテレビの番組改変期を経て、ナイター中継が始まると「あ、春なんだなあ」と思う。意外と「ふきのとうが」とか「桜のつぼみが」などというよりも、野球場がテレビ画面に映っているのを見て春を認識することが多い。だいいち外に出ないし。 野球には興味がない(あるとすれば清原にボールがぶつかって、彼が激怒するかどうかぐらい)けれど、でも「ここはプロ野球中継をやってもらわないと」という瞬間はある。街の中華料理屋や古いラーメン店ではやっぱりプロ野球中継がマッチする。 昔、福岡に住んでいたころ、藤崎という街の長い長い商店街のなかに汚いちゃんぽん屋があって、そこによく通っていた。島木譲二風のオヤジがジャージャーガチャンガチャンと鉄鍋を振るい、油で汚れた換気扇がゴウゴウと音をたてて回

    murashit
    murashit 2008/04/01
    こぎちゃなさがよいという話