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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI (47)

  • 石原慎太郎の目指すもの「嫌悪の狙撃者」 - 深町秋生の序二段日記

    とある仕事で、話題の人物・石原都知事のを読み返していた。 石原慎太郎の小説は、肌にあうものが少なく、代表作のひとつ「太陽の季節」も、「どうです! 若者らしいでしょう!」という押しつけがましさが嫌だった。 もっとも昔の青春小説なのだから、そう感じるのもしょうがないけれど、「太陽の季節」に限らず、まず既成モラルへの挑戦というテーマうんぬんの前に、ヨット、ボクシング、モーターボート、ナイトクラブ、親分の息子とつるんで豪遊とか、体育会系で友人自慢な感じが鼻持ちならず、なにかといえば金持ち大学生であったりとか、職業が医者という設定なども気にわなかった。「ヨットなんか知らねえよ、タコ!」というか。 もうひとつの代表作・長編「化石の森」にしても、長すぎて読めなかったが、とにかくドストエフスキーがやりたかったんだろうなあと思った覚えがある。 そんなわけで合わない作品が多いけれど、数年に一度は読み返して

    石原慎太郎の目指すもの「嫌悪の狙撃者」 - 深町秋生の序二段日記
    murashit
    murashit 2010/12/13
    「『嫌悪』の遂行こそが現代における真の行為なのだ。」
  • 禁断に片足突っ込むノンフィクション「物乞う仏陀」 - 深町秋生の序二段日記

    強烈なノンフィクションを読んだ。 05年に発売された石井光太の『物乞う仏陀』である。08年に文春文庫として発売されて、先日それを読んだのだが、かなり感情を揺さぶられる。こんなノンフィクションがあったんだなあと素直に驚いた。 じつは母から「これおもしろいから読め」と半ば無理やり押しつけられたのだが、しばらく放ったらかしにしていた。だって「アジアの物乞いや麻薬売人、ストリートチルドレンらと暮らし、最底辺に生きる人々を赤裸々に描く」という内容だからだ。 ちょっと……なあ、と読むのを保留していた。バックパッカーの旅行記や体験記、社会派ジャーナリストのノンフィクション、人気マンガ家や作家もいろんな形でアジアなるものにトライしている。つまりあれだろ。「どうしようもなく貧乏で法もいい加減だし、人々は筆舌に尽くしがたいほどしんどい想い(それこそ曾野綾子なんかが「当の貧困とはこれだ」みたいにドヤ顔で言い

    禁断に片足突っ込むノンフィクション「物乞う仏陀」 - 深町秋生の序二段日記
    murashit
    murashit 2010/08/23
  • アナーキーな自警団「サマーウォーズ」 - 深町秋生の序二段日記

    日テレで話題のアニメ『サマーウォーズ』を見た。 かなりネットで大評判になった作品であって、いまさらなにを言っても周回遅れ感がつきまとうだろうが、感想を書いておく。テレビ版はかなりカットした部分も多いらしく、とんちんかんな指摘になるかもしれないが。 演出や派手なCGには目を見張ったが、シナリオに欠陥があるのか、思想が受け入れがたいからか、この世界にうまく入り込めなかった。 数学オタクの高校生、小磯健二は数学オリンピック日本代表の座をあと一歩で逃し、しょっぱい夏休みをすごしていたが、マドンナの夏希先輩からバイトを持ちかけられ、一緒に彼女の故郷である長野まで旅行する。なんと婚約者のフリをしてくれとの驚きの依頼で、彼女の実家に行ってみると、そこには何世帯もの大家族が待っているのだった。90歳にもなる夏希の曾祖母で陣内家の当主に挨拶をするが、おりしも仮想空間“OZ”のパスワードを解いてしまったことか

    アナーキーな自警団「サマーウォーズ」 - 深町秋生の序二段日記
  • コンビニ。バブル後の夢を食らって - 深町秋生の序二段日記

    たとえば私の故郷の近くに米沢市という町があるのだが、たいそうでっかい流通団地があり、それこそちょっと前まではたくさんの派遣労働者を抱えて半導体やらテレビの部品やらを作って羽振りがよかったのだけれど、金融バブルが弾けて輸出産業がぽしゃってからはどこも虫の息であってハローワークはぎゅうぎゅう状態。 工場近辺にあるコンビニも、今まで派遣のあんちゃんが、弁当やらチュウハイやらをどかどか買いこんでくれたのだが、こんな状況であるために同様に虫の息……という噂を耳にしていた。まあどこの地方でも転がっている話である。 車を脚のように使う田舎にあってはこの厳しい時代、定価で売りつけるコンビニなんて利用する人は減る一方で、この辺鄙な田舎である南陽市にすらイオン系の24時間スーパーができたこともあり、コンビニ討ち死にの風景がそこかしこで見られるわけだが、これもよく聞く話である。潰れたコンビニの建物に千円床屋や中

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  • カナザワ映画祭と幸福の科学の啓蒙映画 - 深町秋生の序二段日記

    この世で正しいのは共産主義だけや! という、青木雄二の叫びがずっと耳にこだましていた。カナザワ映画祭で幸福の科学の啓蒙映画「ノストラダムス 戦慄の啓示」を見ていたときに。「こんな映画見るよりドストエフスキー読まんかい! 唯物論や!」という感じ。いやまあそんぐらいぐだぐだで差別的で空疎な説教が続くつらい時間であった。 ちなみにカナザワ映画祭は毎年、エクストリーム&ハードコアな映画を上映することで知られている。 http://www.eiganokai.com/event/filmfes2009/intro.html(カナザワ映画祭2009 新世界秩序サバイバルガイド|かなざわ映画の会) 「ノストラダムス 戦慄の啓示」の前にやっていたのが、これとはまったく正反対に「宗教から目ざめよ」とアジる「ツァイトガイスト」という啓蒙映画なのだが、テンポよくリズミカルに9・11陰謀論を(ツインタワーは政府に

    カナザワ映画祭と幸福の科学の啓蒙映画 - 深町秋生の序二段日記
    murashit
    murashit 2009/09/23
    『「宗教を救うために人がある」という倒錯』
  • CM倫理とオトナの遊艶地 - 深町秋生の序二段日記

    最近、テレビのCMをぼさっと見ていると、消費者金融のCMよりも、「借金のご相談はこちら」とやさしく語りかけてくれる弁護士事務所のやつとか、おまとめローンを勧める銀行のやつとか、まあ多重債務者向けのCMがとても多くなった。 最近はもう朝っぱらからこの手のやつをやっていてぎょっとしてしまう。「借金……大変なの?」などと若いおねーちゃんがストレートに語りかけてくるやつがあるが、もはや時代は「ご利用は計画的に」ではなく、「計画破たん者はこちらへ」という時代に変化しているのかもしれない。チワワ犬のあのアイフルさえもコケちまったし。 しかし最近のテレビといえば、自局の番組宣伝かパチンコのCM、宝くじ、借金と、あと包茎手術と護身用具の通信販売をやれば実話系雑誌並みになれるぐらいの品のなさで、前にもそれを嘆くようなエントリを書いたが、よくよく考えてみると、昔のテレビCMに品があったのかといえば、べつにそう

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  • 石原裕次郎23回忌と法事エンターテイメント - 深町秋生の序二段日記

    もう一週間以上経ってしまったけれど、おもしろかったのはテレ朝でやっていた「石原裕次郎23回忌法要in国立競技場」だった。 「国立競技場にどでかい寺を建立!」という、わざわざ爆破させるためにでっかい建物をおっ建てる西部警察イズムというか、石原プロモーション特有の「わざわざ感」が見られて満足であった。 駆けつけた十万人の観客が、故人をしのんだわけだが、まあ音楽フェスでもこれみよがしにアーティストのTシャツを着ているやつが、あんがい有名なシングル曲しか聴いてなかったりするものだけれど、「裕ちゃん……かっこよかったよなあ」なんて言ってるお年寄りたちだって、どれだけファンであったかは疑問である。お年寄りだって、なにかをダシにしてみんなつながりたいのであろう。ミクシィみたいに。彼が生きていたころといえば、むしろアンチ石原ファンのほうが多かったような気がするけど(「西部警察」のあのガソリンの量をまちがえ

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  • 日本家族の崩壊モデル。ザ・ノンフィクション「漂流家族」 - 深町秋生の序二段日記

    これはやばいなあ。現代日の家族の闇を描いた衝撃作だろう。フジテレビがひっそり流すザ・ノンフィクション「漂流家族 竹下家の9年間」である。 いろんなところで反響があるようで、id:tada-woさんから録画DVDを借りて見たのだが、絶句してしまった。彼のブログから引用する。非常にうまくまとまっている。 http://d.hatena.ne.jp/tada-wo/20090616/1245138703(因果鉄道999・埼玉-北海道(前編) - アマルフィ 日和) 埼玉県に住む竹下一家。家族構成は父母と6人姉妹(全員、女の子)の8人家族。彼らは心機一転として、北海道の浜頓別(はまとんべつ)という田舎町で行われる、街の活性化を目的とした州からの移住計画に参加(いわゆる田舎で暮らそう、というやつ)。この計画は、移住して三年の間に、浜頓別に家を建てて定住することが条件で、その間の住居は地元の自治体

    日本家族の崩壊モデル。ザ・ノンフィクション「漂流家族」 - 深町秋生の序二段日記
    murashit
    murashit 2009/07/05
    タダーヲさんはもっと評価されるべき
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    そういえば麻草さんのマンガ解説がおもしろかった。 http://d.hatena.ne.jp/screammachine/20080428(そのマンガ、当にわかってる?) この解説は描き手ならではのもので、一度もマンガを描いたことのない私にはとても新鮮だった。効果線の用い方や人物の動き一つで印象ががらりと変わるのだなあと、マンガの奥深さに触れたような気がした。 これを読んで私も真似をしたくなった。まあ私のフィールドとなると小説である。小説のポイントというのをひとつ提示しておこうと思う。 80年代終わりのころに故中島らもは、小説という媒体は近いうちに滅ぶのではないかとエッセイで書いていた。活字離れがすでに進行していたし、映画テレビという強力かつ多くの情報がつまった媒体が進化した現代では、活字というのは恐竜のように自然と淘汰されていくのではないかという話だった。 昔、それを読んだときは「な

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    鬼の八兵衛の真骨頂は“鉄拳”だった。元新聞記者が証言する。 「八兵衛は、クロと見込んだら拳を使うんだ。被疑者の人権がうるさくない時代だから、相当ムチャクチャやった。取調室の壁に血が飛び散るほどぶん殴ることもあった。さすがに捜査一課では問題になってね。でも、相手は“捜査の神様”だから、誰も面と向かって諌めることはできない。小原保は、八兵衛が拳を使うと、ブルブル震えて、髪の毛が逆立ったらしい。八兵衛自身がそう語っていたからね」 祝康成「真相はこれだ!『昭和』8大事件を撃つ」p51 おもしろいけど、ちょっとがっかりだ。 テレ朝のドラマ「刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史」である。豪華な俳優陣や舞台セット、吉展ちゃん誘拐事件という昭和最大級の刑事事件を追う伝説の刑事という大きな物語はなかなかに飽きさせない。脚を手がけたひとりが「特捜最前線」などで有名な長坂秀佳だけあって、安定したおもしろさがあった

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    すごいものを読んでしまった。漫画アクション誌で連載されていたころから話題になっていたが、それも納得の大傑作。新刊「ワイルド・ナイツ」は古泉智浩の最高傑作だろう。代表作といえる。 毎度狂おしいDT力を炸裂させて、伊集院光や銀杏ボーイズなど、個性あふれる有名人から熱い支持を受ける彼だが、今回も行き場のない煮えたぎるような男の苦悶が濃厚に描かれる。今回は童貞などではなく、主人公は隠し子がいて、見たことのない子供のために毎月の養育費に追われる三十男という、ちょっぴり大人な設定(それが自伝的コミックというのだから……作者もいろいろあったのだなと思う)だが、これまでの古泉作品と同じく、男はセックスの欲望にとりつかれていて、婚約を解消し、せっかく別の彼女とつきあってもセックスのことしか頭にないためにけっきょくそちらからも捨てられる。テレクラ通いや合コンをいくらやっても心は渇ききったままで、現代地方風俗の

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  • 深町秋生の序二段日記

    いっしょういっしょにいてくれや〜 ノワール小説の帝王、アメリカ文学界の狂犬、ジェイムズ・エルロイ先生の「獣どもの街」を読んだときに思い出したのは三木道三の(聴いてて気持ち悪くなる)歌だった。読んだの1年前ぐらいだけど。 http://movies.foxjapan.com/fakecity/(フェイクシティ ある男のルール) ちなみに明日公開のキアヌ主演「フェイクシティ」が超愉しみ。脚とストーリーを直接手がけたのがエルロイ先生なのである。ハリウッドの勧善懲悪をくつがえすダーティな話になることだろう……と信じたい。丸腰のメキシコ野郎をいきなり撃ちぬき、死体となったその手にぐぐっと拳銃を握らせるLAPDの白人刑事(エルロイ小説における基アクション)。こういうノリでいっちょ頼むという感じ。これでこそコーラとポップコーンもばくばくと進みに進むというもの。人助けの役人や医者が活躍する作品なんかも

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  • 深町秋生の序二段日記

    今回は自分にも言い聞かせるつもりで。 というのは、先日「FACTA」誌を読んでいたのだが、そのなかに池田大作の「新・人間革命」がどうも売れていないらしいという興味深い記事があった。どうやら10万部ぐらい(まあ普通にベストセラーだけど)ではないかという。巨大団体トップの大命というべき著書の販売がはかばかしくないようで、世帯数800万を謳ってるけど、そこんとこ果たしてどうなのよ、という話であった。 「へえ、10万部程度ねえ。ふーん、意外としょっぱいもんだな」 と、思ったけど、まあけっきょくはよくわからないのであった。 創価学会という団体は、ご先祖様を大切にしようという従来の仏教の教えとは違い、地方から出てきた孤独な都市在住の次男坊や三男坊とかに向かって「信じていれば生きている間に裕福になれるよ」と現世利益を説いた高度成長期の機運にぴったりの宗教だった……と思う。「裕福になろうじゃないか」と資

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  • 深町秋生の序二段日記

    東京の人口が未だに増え続けているという。もうすぐ1300万人を突破するとか。 仕事を追い求めて地方の人間がぞくぞくと集まっているのであろう。しかしそれだけではなく、リタイヤした高齢者もけっこう東京に向かっているのではないかと思う。仕事ほしさだけで人は上京するわけではないようだ。 先日、TBS系の深夜ドキュメント番組「ドキュメント・ナウ」を見た。この番組はわりと好感が持てて、大衆の現状というものを過剰に(古舘の過剰に深刻ぶった面にはうんざり)伝えることがない。テンポよく淡白にやるから鼻につかない。 先日は札幌における高齢者の集団生活の姿を追っていた。さまざまな理由で田舎で暮らせなくなった高齢者らが、札幌の元学生寮に集まって、スタッフとともに共同で生活するというもの。半介護施設といった感じだろうか。若者の減少によって空いた都会の学生寮に、地方で住めなくなった老人が集まるという姿が大変おもしろ

    murashit
    murashit 2009/02/03
    公共交通施策にある程度思い切った金をかけないとマジでまずいと思う。電車はとうぜん都市間交通だし、バスは1日1往復だけとかザラだもんなー。場所によっちゃバス停に行くのさえ2-30分かかったりするし。
  • 深町秋生の序二段日記

    で、いつものようにツタヤのアダルトコーナーをぶらっとしたのだが。 あるソフトの名前を見て驚嘆してしまった。まあ女子校生もので、「初台で援交」とかそんなタイトルであったと思う。 「は、はつだい!」とまあそのマイナーな地名をもってくるところがなんともいえず、顎をブロンソン風になでながら「う〜む。初台ときたか。おもむきあるでないの」とすっかり感心していたのであった。ちなみに初台とは京王線で新宿駅から一駅の渋谷区に位置する住宅街である。住宅街とはいえスクエア・エニックスの社とか、新国立劇場とかがある住宅街と繁華街の中間みたいな土地といったところか。 http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20080111(その街の名は) 昔、こういうエントリを書いた。 たとえばラーメンべたくなるような欲をそそる地名というものがあり、博多とか熊とか環七とか札幌とかいろいろあるのだが

    深町秋生の序二段日記
    murashit
    murashit 2009/01/29
    積極的に回っていきたい
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    [rakuten:americanpie:10005721:detail] オバマ大統領の就任式を見ながら仕事をしていた。 で、アレサ・フランクリンが歌っていたが、いやここはぜひHouse of painに登場していただきたかった。もちろんナンバーは90年代前半に大ヒットした「Jump Around」だ。演説でアメリカという国がいかに多種多様の文化の集合体であったかを触れてきたオバマであれば、やっぱり選んでほしいのはこのナンバーがであった。これほど多くの人種が絡んだ曲もめずらしい。ちなみに何度聴いても血がうずく男騒ぎなパーティソングである。PVも不穏当でじつにすばらしい。 House of painはアイルランド系ヒップホップユニット。 ヒップホップ=黒人文化という図式を崩すことに成功したラテン系ヒップホップユニット、サイプレスヒルが後見人となってデビュー。「Jump Around」が大ヒ

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    派遣村に関する騒動を見ていると苦々しい寂しさが湧く。すっかり出遅れてしまったけれど。 で、今が極貧社会なのだという実感が湧いた。それまでだって貧困社会だとは思ってはいたが。 http://d.hatena.ne.jp/kechack/20090109/p1(政治に関心の薄い層に残る自己責任狂 Munchener Brucke) http://d.hatena.ne.jp/Prodigal_Son/20090109/1231512798(個人的にはこういうことをいえる人はすごいと思う。土曜の夜、牛と吼える。青瓢箪。) あらゆる理由をこしらえて、どうにかして派遣村をバッシングしたい。「あそこに集ってるのはアカと怠け者に決まっている! そうであってくれ!」という必死さ。「タバコ吸う余裕があるなんて!」とか当に目のつけどころがすごいと思う。そのエネルギーを横峯さくらのオヤジとか、JK大好き義家先

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  • 深町秋生の序二段日記

    家で原稿が書けない。 という自分の短所に気づいて、最近は図書館やファミレスや喫茶店をさまよう日々だ。(近所のファミレス「ガスト」&「ココス」。いつもヌシみたいに長時間いて、ごめんなさい) ドリンクバーのコーヒーを馬のように飲み干しつつ、カタカタと原稿を書く毎日だが、ふと顔をあげるとそこにはある常連が来ている。50歳ぐらいの夫婦で、夜になると南陽市のどこかの店で毎日のようにお茶を飲んでいる。昨日は「ミスタードーナッツ」にいた。たぶんあっちも「またノートパソコンの男がいる……」と思っているかもしれない。昨日も会ったが、まさか今日は「ガスト」で会うとは。まあ夜の南陽市でゆっくりお茶ができる場所といったら3つしかないんだけど。 ちょっと驚いたが、当に驚かされるのは毎日夫婦でお茶を飲みにくるその習慣だろう。たぶん酒を飲まないのだろう。まったく会話がとぎれる様子もなく、落ちついた調子でずっとなにかを

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  • ワシのファンタジー - 深町秋生の序二段日記

    数年に一度、沢木耕太郎さんのエッセイ「バーボンストリート」を読む。 これは講談社エッセイ賞を獲った名著で、だいたい内容を忘れたころに読み返すと、「ああ、やっぱおもしれえなあ」と毎度二時間くらい至福の時間を提供してくれるコストパフォーマンスの高いである。そのなかの一に「奇妙なワシ」という有名なエッセイがあって、当時かなりの反響があったらしく、日文学界の長老丸谷才一先生もアンサーエッセイのようなものを嬉しそうに書いてらっしゃった。 奇妙なワシというのは鳥類の鷲ことではなく、ワシのこと。つまり第一人称を示すあのワシである。主にスポーツ新聞などに登場する紋切型、「ぬけるような白い肌」「嬉しい悲鳴」「ポンと百万円」「大腸菌がウヨウヨ」「小鹿のような足」「一面銀世界」「ポカポカ陽気」、野球では「矢のような送球」「地を這うようなゴロ」、ライナー性のホームランは必ずスタンドに「突き刺さる」というよう

    ワシのファンタジー - 深町秋生の序二段日記
    murashit
    murashit 2008/12/03
    「ワスのファンタジー」と見間違えて千葉と山形がついに全面戦争突入かと思った。
  • 深町秋生の序二段日記

    「私は黒人の植民地化を唱えてきたし、実現するまでは訴え続けます。例の奴隷解放宣言は、植民計画の一環だったのです。何千という黒人がもう百年も北部で暮らしていますが、誰一人として白人教会の牧師になった者はいないし、裁判官、知事、市長、大学長―どれもいない。白人はいくつかの人種に区別されているわけではありません。みな混ざっているのです。そこへ黒人が同居する余地などないでしょう。といって奴隷や日雇い労働者、小作人はいりません。白人と黒人が同化するか、追い出すか、二つに一つ。アメリカ国民は、一人一人が最上の国民にしかなり得ないのです。社会生活でも政治の世界でも、黒人を平等に扱うなど、これほど嘆かわしい状況は考えられませんね。奴隷解放のためとはいえ、白人黒人の混血の国になるのは高い代償です」 第一部第四章「大物の衝突」より オバマ上院議員が次期大統領となる。 ということで急に読み返したのが、2年前くら

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