<銀行危機でユーロ離脱論争に拍車がかかるイタリア。ポピュリスト政党「五つ星運動」が台頭する中で、国民投票の結果、経済が大打撃を受けることになったブレグジットの二の舞を避けられるか>(写真は「五つ星運動」を率いるグリッロ) 夏、イタリアは観光のハイシーズンを迎えている。古代ローマの遺跡を散策し、エスプレッソをすすり、ジェラートに感激して、最高の建築美を誇る広場をそぞろ歩く。世界中から来た観光客がイタリアの夏を満喫している――背後に嵐が迫っていることも、しばし忘れて。 イタリアは危機に瀕している。彼らがこれをどう乗り切るかによって、EUも世界経済も深刻な影響を受ける。 懸念されるのは、左派ポピュリストの台頭だ。世論調査では立て続けに、お笑い芸人ベッペ・グリッロが率いるポピュリスト政党「五つ星運動」が、中道左派の与党・民主党(PD)を抑え1%未満の僅差ながら支持率トップ。6月に行われた市長選は、