おととい、2014.2.5のmsn産経ニュースがありました。 「食物アレルギー そば・ピーナツ 母親9割が離乳食で与えず 環境省調査」 これが↑見られない場合のキャッシュ(1)、(2) 要約すると子どもにアレルギーが心配で、そばやピーナツをなるべく あげないようにする人が多いけれど、離乳食でいろいろなものをあげる のは遅くしない方がいい、遅くするとむしろアレルギーが増えると 考えられるからという記事です。 私も外来をやっていると、早い離乳食がアレルギーを増やすと 考えている人が結構、います。 まだ「卵はあげないでおこうと思います。」と言われます。 なので、私も本に書きました。 小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK‐間違った助言や迷信に悩まされないために/森戸やすみ ¥1,365 Amazon.co.jp 51ページを見てくださいね。 離乳食の開始を遅らせたり、アレルギー性の高い物質を
このテーマは以前にも書いた。給食で誤って食べた小麦でショックを起こして搬送、入院の報道があった。季節柄、アレルギー検査、診断書を書くという作業が続いている。私にとっては、最もストレスと疲れの溜まる季節となった。今日は早めに仕事が終わり、天気予報を見るためにテレビをつけた。そこに、小麦の経口負荷試験の映像が。 0.3gの小麦を食べて蕁麻疹、ゼーゼーして苦しむ様子。翌日も食べて全身を痒がり、全身をかきむしる様子。呼吸困難で酸素吸入。ほとんどアナフィラキシーである。これを毎日繰り返すことで、食べることが出来るようになる?見るに堪えない様子の家内。私は「結局失敗したというオチだね」とつぶやいた。ところが、経口負荷試験を推奨する結末に。「何故?」「これって虐待?」と思ってしまった。 「本人は一度も嫌がらなかった」(記憶はさだかではないが)という、とってつけたような、いかがわしいコメント。「美味しい物
先日、魚に詳しい友人から「今年はアニサキスが多い。イカやサバを食べる時には注意が必要」という連絡を受けた。近海で採れる青物やイカを観察すると、アニサキスが多いという。これを生で食べると、激しい胃痛に襲われる。アニサキスが胃の粘膜に食いつく(?)からだ。これをアニサキス症と呼ぶ。 では焼いたり、煮たり、冷凍すると安全なのか?アレルギーが専門の私は、アニサキス症よりも、アニサキスアレルギーを心配してしまう。火を通しても、冷凍してもアレルギーは起こる。「サバを食べて蕁麻疹。やはり青物はアレルギーを起こす」と言われるが、これは濡れ衣である。魚のアレルギーは白身でも、青身でも起こるし、頻度に差はない。純粋なサバアレルギーなど、ほとんど経験したことがない。検査上で1つの魚にアレルギーがある場合には、すべての魚でアレルギーが証明される。しかし、どの魚で症状が出易いかは、個人個人で異なる。 サバなどの魚で
このブログに検索エンジンから飛んでくる方が入力する検索ワードのうち、意外に多いのが「にんにく アレルギー」。3/23に書いたように、私と同じく苦しんでいる人がけっこういるのだなぁと、少し驚いています。自分の体ににんにくが合わないということがほぼ確定的になると、次なる関心はそれを改善出来るのか?であります。 鼻炎アレルギーなら薬をのめば落ち着きます。また体質改善で治ることもあります。では、にんにく食べたら腹痛症候群は、どうなのでしょうか。インターネットで検索してもなかなか見当たりません。今回、体調不良で初めて行ってみた近所の内科クリニックで、血液検査をしてもらったついでにこの疑問をぶつけることにしました。ちなみに血液検査の結果は良好でした。 以下、主治医との会話です。 私「少し前から、にんにくを食べると気持ちが悪くなって、お腹が痛くなって、最悪はひどい下痢になるんですけれども、にんにくアレル
10年以上前の話だが、離乳食でスリゴマを食べてアレルギーを起こした症例を経験した。調べてみると、(アレルギー検査で)1歳代では卵、牛乳、小麦、次いでゴマの陽性率が高いという結果であった。ゴマブームもあって、離乳期からスリゴマを与える事が多く、結果としてゴマアレルギーが増えた?最近では、ゴマはアレルギーを起こす代表格と認識されている。 「ゴマ油は食べて良いのか?」という質問があるが、「ゴマ油でアレルギー症状を起こした症例の経験はない」と答えている。ゴマ油にも、アレルギーを起こす蛋白は含まれているはずだが、ゴマ油を多く摂取するという状況は、まずない。中華料理のピーナッツ油で、アナフィラキシーは良く起こす。 最近、「検査でゴマだけが極端に強い。ゴマを多く食べさせていますか?」という質問をする事がある。「食べさせて記憶はない」とのこと。お母さんがゴマを食べて授乳させ、経母乳感作を起こす可能性もある
2日の休みを頂き、有り難うございました。いろいろ書きたい事が溜まっているのだが、エピペンについて、質問があったので、優先して書きたいと思う。この話題については、何度か書いた。エピペンを処方するには、資格が必要である。資格と言っても、説明を受けるだけなのだが、私はその資格を敢えて取っていない。娘たちは資格があるので、次女が代行して処方した事例はある。長女はハチ刺されのメッカで仕事をしているために、エピペンは重宝しているようだ。 エピペンの成分はエピネフリン。つまり、アドレナリンの事である。アドレナリンは強心作用と、血管収縮作用、気管支拡張作用がある。アナフィラキシーで血管から水分が漏れて、循環血液量が減ると、血圧が下がって脳に血液が行かなくなって意識がなくなる。血圧は下がる。心臓は頑張るのだが、水のないポンプ状態に。当然頑張りすぎて心不全。死亡となる。 そこでエピネフリンの登場である。心臓を
ありそうで滅多にないのが、アナフィラキシーによる死亡例である。私の記憶の中では、ソバ、ピーナッツでの死亡例はあった。成人例としては、エビやイカなどを大食いしたあげく、酒を飲んで泥酔し、亡くなられた症例もあった。アナフィラキシーの発生メカニズムは、大昔に説明したはずなので(記憶は定かではない?)、ここでは省略。 因果関係を確実に証明できた「卵を食べて死亡例」「乳製品を食べて死亡例」は記憶にない。ということは、ニアミスはあっても、確率的には死亡例はほとんどない事を意味する。だいたい、卵や牛乳で経口負荷試験をやるくらいだから、死亡例は皆無を言ってしまうのは、逆説的な暴論だろうか? 私しかやらないような、いい加減な計算をしてみよう。1年間の出生数を110万人とする。軽いアトピーまで含めると、アトピーの発症は10%弱。およそ10万人の計算となる。その中で、食物アレルギーがからむ比較的重いアトピーは2
行政解剖の結果、アナフィラキシーショックが疑わしいとの結論。元気で、おかわりをしたぐらい食欲のあった子供が、1時間足らずで体調を崩し、3時間後に亡くなったとしたら、アナフィラキシーの可能性が高いと思う。しかし、情報が足りない。「気持ちが悪い」次に来るのが、「かゆい」であり、全身が赤くなったはず?アレルギーとは「かゆい」ものだ。 一般論の話だが、アレルギーに関する突然死、またはニアミスは、圧倒的に男性に多く、年齢は10歳から15歳である。元々、食物アレルギー自体が男児に多く、女児の1.5倍から2倍。給食後に多いのも特徴である。運動することで血流は増し、アレルギー症状は強くなる。朝食や夕食後に、すぐに激しい運動をする状況は少ない。今回の症例については、痒みと昼休みの運動、牛乳アレルギーのデータについての情報が欠けている。この3点が、最も重要なのだが。 チーズは発酵食品であり、アレルギーを起こし
ナツが生まれて、今日でちょうど1ヶ月になった。正確に言うと、1ヶ月と1日?明日は1ヶ月健診。午後からなのでバーバの付き添いで、健診に出かけるのだろう。 以前もブログで書いたのだが、私もアレルギー体質、次女もアレルギーがあるので、ハルの授乳中は、次女は卵を完全に除去していた。お陰で(?)、ハルは軽い牛乳アレルギーが確認されたものの、卵は陰性。今では卵も牛乳も普通に摂取できている。 今回も次女は卵抜きの生活になった。買ってくるのはみたらし団子やよもぎ餅。成分を確認しながらの買い出しである。半年ぐらいの除去で、卵アレルギーを防ぐことが出来るなら、除去した方が楽である。誰でもが除去する必要はない。アレルギー体質の強い親や、兄弟に食物アレルギーがある場合には、除去するのが近道。 三女もカイを育てる時には、卵を除去していた。急がば回れ、危険な物には近づかないことが、アレルギー治療の基本である。時々、み
私はアレルギー体質である。スギ花粉症あり、エビやカニなどの甲殻類もだめ、猫アレルギーもある。アレルギー体質は遺伝する。娘たちもアレルギーを持っている。私は母乳で育てている次女と三女には、授乳中は卵を全く摂取しないように話した。娘たちは納得して実行した。ハルは軽いアトピーがあったが、今は改善している。カイは軽い湿疹ができたが、今は問題はない。 ハルは生後6か月で血液検査を行った。卵は母乳からも摂取していなかったのでアレルギーはなく、軽い牛乳アレルギーが証明された。何度か検査をしたが、卵アレルギーはなく、1歳からは普通に卵を食べている。牛乳のアレルギーも消え、今は乳製品も食べている。タラレバの話になるが、次女とは「授乳中に卵を食べていたら、卵アレルギーは避けられなかっただろう」という見解で一致している。 カイも6か月で血液検査をした。卵も牛乳も小麦もアレルギーはなかった。母親である三女は、今で
経口免疫療法が極めて危険で、意味がない事は理解いただけたと思う。最も大きな問題は、アレルギーが食べることで強くなることだ。入院して食べさせて症状が出なくても、食べさせることによってアレルギーは強くなる。例えば卵アレルギーが30(クラス4)の患者さんがいたとしよう。食べさせることによって、2週間後には80に、1か月後には100以上になる可能性が高い。入院して食べることができても、1か月後にはショックを起こす。 この患者さんは、除去していたら(アレルギーが軽くなって)3年後には卵を食べることが出来ただろう。ところが、負荷試験をしたことで(アレルギーが強くなって)、10年以上食べることが出来なくなる。この免疫療法は生命を危険にさらすだけでなく、「アレルギーの改善」という大きな目的の障害となる。「ほとんど虐待ではないのか?」と書いた本心はここにある。「急がばまわれ」とはそういう意味だ。 10年ほど
12月15日に「マスコミ報道とアレルギー」というタイトルでブログを書いた。重症の食物アレルギーがあっても、入院して少しずつ食べさせるならば、95%以上の子供がアレルギー症状もなく、食べることが出来るようになった。これを「食物経口負荷試験」とか「経口免疫療法」と呼ぶ。食べることができるようになるメカニズムは不明、という内容のNHKの報道があった。その報道に対して、私は「この子が半年、1年後にどうなっているのかというのが結論ではないのか。」と書いた。だいたい、メカニズムが不明なものを、「免疫療法」と呼ぶこと自体がいかがわしい。 24日付の朝日新聞に、「食物アレルギー(食べて治す)は注意」というタイトルの記事が載った。厚労省は実際に入院して食べることが出来た患者さんも、実際に「治った」と診断されたのは卵で38%、牛乳で10%、小麦で50%であり、30%から50%の患者さんが重症の副作用を経験した
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