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ブックマーク / akehyon.hatenablog.com (22)

  • 2012-05-28

    元朝日新聞およびアエラの記者で、現在はフリージャーナリストである烏賀陽弘道氏の著作。特に新聞を初めとする現代のマスコミが機能停止に陥っているさまを批判するものだが、最も気になったのは、新聞社が人材を上手に使えていないことだ。原発報道に際しても、実は専門家が朝日新聞の社内にもいたのだが、現在割り振られている仕事に忙殺され、また、他の「縄張り」に口を出すこともはばかられ、結果として人材が死蔵されているのだ。林雄二郎は『情報化社会』の中で1960年代に、そして今井賢一や金子郁容は『ネットワーク組織論』の中で80年代に、今後は組織をゆるやかにすることが寛容と説いたのだが、ほとんどの組織でそれが実現しておらず、特に新聞社の組織が硬直化しているさまがよくわかる。しかしそこを改善しなければ、10年後に大新聞といえども滅亡の淵に立たされるかもしれないと思う。 第一章から第三章までは大澤真幸と見田宗介の対談

    2012-05-28
    oriono
    oriono 2012/05/28
    「林雄二郎は『情報化社会』の中で1960年代に、そして今井賢一や金子郁容は『ネットワーク組織論』の中で80年代に、今後は組織をゆるやかにすることが寛容と説いたのだが、ほとんどの組織でそれが実現しておら
  • 2011-08-30

    グーグルとついているが、いわゆるグーグルグーグルという企業の説明や、検索エンジンの解説)では全くない。グーグルの登場回数もわずかである。要は、日の閉塞状況を打ち破るために、どのように行動すべきかという著者の処方箋を述べたもので、グーグルはその象徴として名前を出されているだけ。要は規制を緩和し、グーグルのように法的リスクを恐れずに行動せよ、といいたいようだ。 日経の中堅記者が豊富な取材を基に書いたものなので、勉強になるところはもちろんあるが、論旨はどこかで聞いたようなものばかり。「御説ごもっとも」で終わってしまう。なぜなんだろう。著者が大手新聞社という既得権益に守られていて、評論家風にあおっているだけだからか。 われわれ日人は概して、チェルノブイリ原発について、詳しいことは知らない。それにはもちろん、情報を隠ぺいしたソ連・ロシア政府の責任が大きいが、こうした詳しいが出ている以上、読

    2011-08-30
    oriono
    oriono 2011/09/03
    「なお解説は、日本共産党の衆議院議員で、京大原子力工学科卒の吉井英勝氏。文春と共産党という組み合わせもおもしろいが、まさに適任だった」
  • 2011-08-04

    来は言語情報処理などが専門の影浦峡・東大教授が、3.11後のメディアに表れた、放射能の影響を過少に見積もる報道を、批判的に読み解く「メディア・リテラシー」の実践的書物。特に、素人には分かりにくい放射能の単位ベクレルとシーベルトの関係などについても、きちんと解説されている。最悪のことを考えてなるべく避難するべきだ、との一貫した主張が貫かれている。 著者は、インターネットを理由とする物価の下落を「ネットデフレ」と呼び、これが雇用の悪化など経済に悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らす。確かにそうした側面はあるが、ネットデフレのおかげで一般の消費者が多大な利益をこうむっていることも事実だから、この問題の「解決」は難しいだろう。著者は、現在のネット取引が「自動販売機」的になっているとして、窓口と同じような人的サービスをネットで実現する仕組みを実際に開発する企業の経営者で、書も後半はその宣伝めいてくる。化粧

    2011-08-04
    oriono
    oriono 2011/08/15
    「3.11後のメディアに表れた、放射能の影響を過少に見積もる報道を、批判的に読み解く「メディア・リテラシー」の実践的書物」
  • 2011-05-02

    鼠の上部は臼のような形をしていますが、臼を使った字ではなく、これ全体でネズミの象形文字です。鼠を使った字は、あまり使う機会はないですが、鼢(モグラネズミ)、鼪(たいりくいたち)鼬(いたち)、鼯(むささび)、鼱(トガリネズミ)、鼹(もぐら)、鼷(アマクチネズミ)など、ネズミに類する小動物の種類を表します。 鼠と紛らわしい字に、タテガミを表す巤があります。これは、タテガミのある馬の頭部の象形文字だそうです。今ではさらに、髟を添えて、「鬣」にする方が多いかもしれません。鼠の略字が「鼡」ですが、猟のツクリはねずみではなく、この巤の方です。他によく使われる字として、蠟人形や蠟燭のロウ(これも略字は蝋)や、臘(これの略字は「臈」)がありますね。 ITジャーナリストの第一人者である佐々木俊尚氏の著作。情報が氾濫する中で、それをキュレートする役割が重要度を増すというのが骨子なのだが、その骨子を支える肉の部

    2011-05-02
    oriono
    oriono 2011/05/03
    『キュレーションの時代』の書評。
  • 2011-03-29

    毎日新聞ニュースより 発信箱:すべて想定されていた=福岡賢正(西部報道部) 原発事故の報道に強烈な居心地の悪さを感じている。その理由を突き詰めていくと、メディアが安易に使う「想定を超えた」という言葉のせいだと思い至る。眼前で今起きている事態は当に想定外だったのか。 《最大の水位上昇がおこっても敷地の地盤高(海抜6m以上)を越えることはないというが、1605年東海・南海巨大津波地震のような断層運動が併発すれば、それを越える大津波もありうる》 《外部電源が止まり、ディーゼル発電機が動かず、バッテリーも機能しないというような事態がおこりかねない》 《炉心溶融が生ずる恐れは強い。そうなると、さらに水蒸気爆発や水素爆発がおこって格納容器や原子炉建屋が破壊される》 《4基すべてが同時に事故をおこすこともありうるし(中略)、爆発事故が使用済み燃料貯蔵プールに波及すれば、ジルコニウム火災などを通じて放出

    2011-03-29
    oriono
    oriono 2011/03/30
    「結局、私たちの多くは、原発の持つ危険から目を逸らして生きてしまったのだ。原子力産業のせいももちろんあるけれど、私たちは本気で省エネをしたろうか?代替エネルギーを考えたろうか?」
  • 2011-03-28

    よく「ホンマでっかTV」でいじられている門倉貴史氏の著作。さまざまな統計数字に潜むワナを解説するものだが、特にエンゲル係数の低下が必ずしも豊さと結びついていないという指摘にハッとした。確かに高齢化が進めば、老人はの細い人が多いから、豊かでなくても費の割合は下がる可能性がある。 ギャンブル学の権威、谷岡一郎氏の著作。同じ著者の「「社会調査」のウソ」はなかなかよくできただったが、書は中身が薄い。「40歳からの」とついているが、書に書いてあるようなことを知らない40歳はもはやダメなのではないか。ノウハウの中心は、野口悠紀雄氏による「時間順ファイル」であるし、社会の上層部にいるような中年層にとって、目新しい事柄はほとんどない。まあ、野口氏のような「超エリート」でなければ、エリートの好奇心を満たすようなノウハウは書けないということかもしれない。むしろ、著者が学長を務める大阪商業大学の学部

    2011-03-28
    oriono
    oriono 2011/03/29
    「特にエンゲル係数の低下が必ずしも豊さと結びついていないという指摘にハッとした。確かに高齢化が進めば、老人は食の細い人が多いから、豊かでなくても食費の割合は下がる可能性がある」
  • 2011-03-15

    原発は以前から怖い、とは思っていたけれど、こんな深刻な事態になるとは想像もしていなかった。私たちにできるのは、なるたけ節電して、原発がなくても暮らしが成り立つようにすることしかないだろう。 フィールドワークの第一人者として知られる佐藤郁哉氏などの研究グループが、学術系出版社4社の仕事のありさまを調査したもので、有益な情報がふんだんに盛り込まれている。一人出版社のハーベスト社の話も面白いし、有斐閣がその印象と違って(純粋学術書より)実は大学教科書の出版が主と言うのも気づかなかった。有斐閣や東大出版会が、社員数を大幅に減らしている、というのも知らなかった。学術出版のあり方が、欧米と日とで大きく違い、必ずしも欧米が優れているとしていないことも好感が持てる(ところで巻末の、全米大学出版部協会加盟社一覧表の中に、ハーバード大学出版部が2回出てくるのは何かの間違いなのだろうか?)。不満を言えば、リサ

    2011-03-15
    oriono
    oriono 2011/03/24
    佐藤郁哉ほか『本を生み出す力』の書評。
  • 2011-03-16

    「逃げられる強者」と「逃げられない弱者」という対比をしていたのはジグムント・バウマンだったか。パノプティコン時代の終焉として、権力者が監視塔からどこまでも逃げ出せるのに対し、弱者はローカルな場所に閉じ込められる(大意)といったことを書いていた。理論的には、ちょっと変(パノプティコン自体が、まさに監視する側がそこにいなくても済むことを前提としているのだから)なのだが、地震・津波の被災地でおきていることは、まさにこれのような気がする。逃げる場所のある人、お金のある人は、真っ先に被災地から逃げ出す。行政が崩壊したところでは、ひょっとしたら役人や市議まで逃げているのかもしれない。そして、弱者の中の弱者は逃げることもできず、そこに取り残される。中には、安全な東京にいるのに「逃げる」人もいるらしい。 浅田彰は「逃走論」の中で、「逃げろや逃げろ、どこまでも」と煽った。こうした事態を浅田はどう見ているのだ

    2011-03-16
    oriono
    oriono 2011/03/24
    「弱者の中の弱者は逃げることもできず、そこに取り残される」
  • 2010-12-20

    中級レベルのマクロ経済学の教科書。古典派とケインジアンとを対立するものとして捉えず、両者の共通性と差異とを同じ土俵の中で捉えようとしているところに特徴がある。「補論」が多数付されている(数えたら20あった)。 副題に「映画監督・松江哲明ができるまで」とあるように、映画監督の松江氏が、自らが映画監督となるにいたった経緯・半生を詳しく語る。氏は日映画学校の出身だが、在学中からAV制作などにも関わる(こうした映像専門学校は、AV制作の現場と極めて近い所にあるのだね。考えてみれば当然のことではあるけれど。私も若い頃はよくAVを見たけれど、どのような人たちが制作に関わっているのかは分からなかった。インターネットの発達した今では、例えばそうした業界の人たちの情報は簡単に得られるであろうけれど、当時は普通の若者にとっては「謎の業界」の一つだった)。映画会社の正社員採用=助監督から監督へ、という昇進シス

    2010-12-20
  • 2010-08-23

    情報社会論の歴史認識では、狩猟採集社会→農業社会→工業社会→情報社会といった発展図式を考えるものだが、著者によれば、現代の大都市(実際に例に挙がっているのは東京)では、所持金がゼロ円でも、「狩猟採集」によって生きていくことが可能だという。著者は、都市に落ちている料や生活物資を、「都市の幸」(「海の幸」「山の幸」と同じような言い方だ)と呼んでおり、これを利用して実際に、お金をほとんど持たず、土地や家を持たず(普通の言い方をすればホームレス)に、たくましく生きている人々の生活実践が紹介されている。 確かに、うまくスーパーの経営者と話をつけたり、炊き出し(特に台東区では毎日どこかで行われている)を利用すれば、飢えることはないのかもしれない。むしろホームレスではなく、自分のアパートを持っている人の中から、飢える人が出ている。ホームレスは決して「情けない人々」ではなく、そこで生き抜いているのはある

    2010-08-23
    oriono
    oriono 2010/08/25
    この本おもしろそうだな。「[book]ゼロから始める都市型狩猟採集生活」
  • 2010-08-03

    薄いなので期待しないで読み始めたが、これは良書だった。環境問題や温暖化論に対して真剣に考えてみたい人におすすめできる。温暖化対策に懐疑的な武田邦彦教授と、国立環境研究所で温暖化対策にあたっている江守正多氏、環境ジャーナリストの枝廣淳子氏の鼎談。 環境問題に関するは、自分の立場に固執する「宗教的」なものになりやすいが、書は立場を異にする武田氏と江守氏ががっぷり四つに組んで対決することで、温暖化問題の実情が見えてくる。武田氏も、地球の気温が上昇していることは認めるが、一部環境派の独善的な論理(都合のいい事実しか言わない、下々に対策を押し付ける、など)に怒り、環境対策よりも画期的なイノベーションに期待していることが分かった。 「第一次の思考停止」「第二次の思考停止」「第三次の思考停止」という概念もおもしろい。「第一次の思考停止」は、「メディアや国が出したメッセージを鵜呑みにすること」。「第

    2010-08-03
    oriono
    oriono 2010/08/19
    「「第一次の思考停止」「第二次の思考停止」「第三次の思考停止」という概念もおもしろい」
  • 2010-08-12

    毎日新聞ニュースより <高速道無料化>鉄道利用者14%減 高速バスも22%減 8月11日21時11分配信 毎日新聞 6月に全国37路線50区間でスタートした高速道路の無料化社会実験について、国土交通省は11日、他の公共交通機関や観光、物流への影響を検証したデータを初めて公表した。対象区間と並行する鉄道路線(特急)では、実験開始後1週間での利用者が最大で14%減少。また高速バスでも最大22%減少した。周辺観光施設の平日利用者は1割増えたが、一方で対象区間の渋滞も増加。コスト削減などの好影響があったと答えた物流業者は3割強にとどまった。 公共交通機関は、6月28日から7月4日までの実験開始後1週間の旅客実績を、国交省が平日と休日に分けて比べた。最も減ったのは北海道のJR函館線、滝川−旭川(休日)など3区間で前年同時期と比べ14%減、京都府の北近畿タンゴ鉄道の福知山−宮津(休日)が同10%減だっ

    2010-08-12
    oriono
    oriono 2010/08/19
    「すっかり「岩波文化人」と化した柄谷行人氏の、渾身の書と言ってよいのではないだろうか」「できればなぜNAMやQが失敗したのか、その総括的な書物を書いてもらいたいとも思う」
  • はそもそもデタラメである - akehyonの日記

    宮台真司氏が、ダヴィンチに連載していた映画評論をまとめたもの。600ページ弱というボリュームで1890円という価格はお買い得だろう。個々の映画を論じているのだが、「実存批評」との言葉通り、宮台氏のこれまでの経験や、思想的な変遷が、たっぷりと詰め込まれている。氏の現在の立場は、「主知主義から主意主義へ」というスローガンに還元可能だと思うけれど、この立場もいずれ捨てられるような気がする。

    はそもそもデタラメである - akehyonの日記
    oriono
    oriono 2009/02/01
    宮台『〈世界〉はそもそもデタラメである』。「氏の現在の立場は、「主知主義から主意主義へ」というスローガンに還元可能だと思うけれど、この立場もいずれ捨てられるような気がする」
  • 2009-01-27

    時事通信ニュースより JR東海会長、新幹線が最適=米カリフォルニアに売り込み 【ロサンゼルス27日時事】「安全性、効率性などの点で新幹線が最適」−。JR東海の葛西敬之会長は26日、ロサンゼルスで開かれた環境問題に関する国際会議でカリフォルニア州が計画している州縦断高速鉄道に新幹線を強く売り込んだ。同計画でJRトップが加州を訪れるのは初めてで、日政府とJRの期待の高さを示した形だ。 同会長は「プロジェクトは日政府が進めるもので、まだ手を挙げる段階ではない」とあくまで慎重。しかし、会議の分科会で欧州の高速鉄道との比較優位を強調し、出席者の喝采(かっさい)を浴びた会長は「好意的に受け止めてくれた」と手応えを感じた。 環境問題への取り組みに積極的なオバマ政権の誕生、米景気の後退、中東情勢の不安を背景にしたガソリン価格再高騰への不安などで高速鉄道導入への機は熟しつつあり、政府・JRは州へのPRを

    2009-01-27
    oriono
    oriono 2009/02/01
    丸田一『「場所」論』。「元グローコムの丸田一氏の著書。現実空間とウェブ空間との絡みを主題にした本。いろいろと面白い細部があるが、西田哲学まで出てきて話は拡散する」
  • 2009-01-21

    著者の宇野氏は、1978年生まれの評論家。もう東浩紀は、若手ではなく大家らしい(別に皮肉な意味ではなく)。 書は、主として2000年以降(ゼロ年代)の文芸・映画・マンガなどの作品を論ずるもの。著者は、1995年前後に、社会が変わったという断絶線を引く。95年以前の古い想像力の代表として著者が挙げるのが「新世紀エヴァンゲリオン」(!)。そこでは社会からの退却が語られる。だがそれ以降は、そうした退却すらも許されない、無根拠の中での「決断」を強いる社会になったと、著者は語る。 随分と乱暴な切断だと、最初は感じた。また、論じられている対象となっている作品に、私はあまり馴染みがないので、その論の当否を判定することもできず、もどかしい思いもした。だが読み進めるうちに、この乱暴な切断にも、特に若い世代にとっては、それなりにリアルな、根拠のあるものではないかと思うようになってきた。 著者の着地点は、どう

    2009-01-21
    oriono
    oriono 2009/01/24
    宇野常寛『ゼロ年代の想像力』
  • 2009-01-19

    と近所のカレー屋へ。ちょっとべすぎた。 羽入辰郎氏の「マックス・ヴェーバーの犯罪」は、ヴェーバーがプロ倫で犯していた不誠実な資料改竄を暴露して「ウェーバー学界」に激震をもたらしたが、それに対して折原浩氏がヴェーバーを擁護する立場で出したもの(の一冊)が前者、それに羽入氏が反批判(返り討ち)したものが後者である。 両者を読み比べてみて、折原氏にも一理程度はあるにせよ、全体としての印象では、羽入氏の立論の正当性が裏付けられたと私は思う。語学力や、資料の読み込み方に代表される学問の作法について、羽入氏の方が数段優れており、それに対して折原氏は、無理な「詭弁」を弄して強弁するだけだ。しかも、羽入氏の博士号を、東大文学部に圧力をかけて、撤回させようとしたと言うのだから、何をか言わんやである。 ウェーバーが犯罪者、詐欺師とまで言うのは言いすぎかもしれない。だが、相当にズルイ方法で自説を主張し

    2009-01-19
  • 2009-01-03

    永田寿康・元衆議院議員が自殺(?)。私は彼には同情している。偽メールに騙されたのは、東大工学部卒としては浅はかだけれど、私だって騙されたかもしれない。それをよってたかって責めたて、結局議員を辞職。辞めるほどのことだろうか?謝れば済む問題ではないのか?騙された被害者なのだから。 ひょっとしたら殺されたのかもしれないよ。 Rev Manovichを中心として作られた「ソフト・シネマ」のDVDを見た。データベースを活用した実験的な映画で、TEXAS,MISSION TO THE EARTH,ABSENCESの短篇映画。おそらく評価はかなり分かれそうな気がする。私も、もう少し長かったら退屈していたかもしれない。 http://softcinema.net/ 「星の王子さま」の版権が数年前に切れて、それまで内藤濯訳(岩波書店)の独占状態だったものが、多数の新訳が出た。書は、内藤濯の「誤訳」を詳

    2009-01-03
    oriono
    oriono 2009/01/05
    「偽メールに騙されたのは、東大工学部卒としては浅はかだけれど、私だって騙されたかもしれない。それをよってたかって責めたて、結局議員を辞職。辞めるほどのことだろうか?謝れば済む問題ではないのか?」
  • 2008-09-18

    アンテナに入れているグレッグ・マンキューのブログhttp://gregmankiw.blogspot.com/で知ったのだが、フランスではよりピグー税(環境税)の色彩の強い新税の導入を検討し、より環境に配慮した生活をするようにと人々を誘導することを検討しているらしい。基的にはよいことだ。そういえば日ではガソリンの価格が下がっているが、もっと増税してもよい。 私の若いころ、松田優作は紛れもなくヒーローの一人だった。「太陽にほえろ」のジーパン刑事や、「探偵物語」での工藤ちゃん、カッコよかった。高校の同級生のKなどは、集合写真の時まで、優作風のサングラスとポーズで「決めて」いたほどだ。 書は、元によって素顔の松田優作が描かれている。在日に生まれ、かつ、兄二人とは父親が違い(「松田」という姓は兄の父のもの)、別に正のいた実父は母を捨てて逃げてしまった。高校の時、母に、米国で弁護士になれと

    2008-09-18
    oriono
    oriono 2008/09/22
    憂作が在日っていうのは知らなかったな。
  • 2008-09-09

    川上弘美、多和田葉子、西原理恵子らの小説を論じる。強引な読解を通じて、小説というたくらみに意識的であるように読者を炊きつける。やや蓮實重彦風の文体だが、この文芸批評家は女性かもしれない(実際のところは知りません)。 川上弘美氏を輩出しながらも3回で終わってしまったパスカル短篇文学新人賞がもう少し長く続いていたら、(私の)世界は変わっていたかもしれません。残念です。 http://www.jali.or.jp/pascal/kouho.html 西洋近代において、パスポート(旅券)という制度を国家がいかに、国民の支配のために利用してきたかを跡付けた歴史書で、類書はあまりない。監視社会論においても、パスポートに的を絞ったは他にないだろう。フランス革命時や、アメリカの移民制限、そしてナチスドイツなどが例として語られる。現在、ヨーロッパ統合によってパスポートなしで国境を越えられる場面も増えている

    2008-09-09
    oriono
    oriono 2008/09/10
    「西洋近代において、パスポート(旅券)という制度を国家がいかに、国民の支配のために利用してきたかを跡付けた歴史書で、類書はあまりない」
  • 2008-09-08

    大澤真幸教授の「自由論」。自由を「消極的自由」(他者からの干渉の欠如)と「積極的自由」(自己支配)に分けたのはルッジェロやバーリンだが、「消極的自由」が相当に実現したと見られる現代社会において、なぜ人は自由をさほど感じられないのか、というのが主要なモチーフ。リベラリズムを徹底すると、人々に「普遍的な正義などない」という考えが浸透し、却って「なんでもあり」「狭い共同体の中で何を信じようが自由」という「多文化主義」へと回帰する。リベラリズムの最大の敵である多文化主義は、リベラリズムの徹底が生んだ鬼子であった、という矛盾。ここのところが、一番のよみどころか。オウム真理教なども、その観点から読み解かれている。 さまざまな文学作品や映画などから例を引いている。その選択はある意味恣意的で、「突っ込みどころ満載」とも言える。私は野球はほとんど知らないのだが、江夏と落合の対決の話はおもしろかった(おそらく

    2008-09-08