国境なき医師団(MSF)の外科チームは、3月14日から15日にかけて、ウクライナの首都キエフ(キーウ)中心部で最大規模の病院の一つであるオーホマッディート小児病院(750床)で、多数の負傷者が一斉に運ばれる事態に備えた研修を行った。 「戦傷外科の専門性を持つMSFの外科医が難度の高い手術を行ったところ、病院の外科医らがすぐに、『ぜひ技術を教えてほしい』と集まってきました。 この病院の外科医は大半がそれぞれの分野の専門医ですが、外傷外科の専門医はいません。そのため、銃撃や爆発片のけがの治療には欠かせない、感染を起こした傷や壊死した組織の切除(デブリドマン)にも本格的な経験はないのです。傷への対応が遅れたり、適切でなかったりすると、あっという間に感染症が起きてしまう恐れがあります」 外出禁止令が敷かれたキエフでは空襲警報も頻繁に鳴り響き、多くの人がシェルターに避難し出勤が難しいため、通常200