日本に住むブラジル人やブラジル在住の日本人が両国で公的年金の加入年数を通算できるようにする「社会保障協定」の締結に向け、両国が2010年1月中にも政府間交渉に入ることが30日、分かった。長野県内などで働いた日系ブラジル人が不況のあおりで仕事を失い帰国した際、日本で支払った年金保険料が「掛け捨て」になってしまう問題が深刻化している。順調に進めば同年中に調印、その後、発効する見通しだ。 今年7月まで6年間、上伊那郡箕輪町などで働き帰国した日系2世の深瀬清さん(58)=サンパウロ州マリリア市=は「私も日本で保険料を払っていたが、協定が締結されれば、掛け捨てではなくなり、仲間が両国を行き来しやすくなる。早く締結してほしい」と話している。 日本で外国人登録して長期滞在する外国人は、日本人と同様、国民年金や厚生年金への加入が義務づけられており、将来、年金を受け取るには掛け金を25年間払い続ける必要