「(わが子には)10代の多感な時期を、受験に煩わされることなく、伸び伸びと過ごしてほしい」。そうした保護者の願いを背景に、根強い人気を誇る中高一貫校。さらに、大学の付属系ともなると、中高大の10年間、受験なしで過ごすことができる。私学なので学費は余計にかかるが、受験に備えての塾通い(費用)は不要なので、その分、だいぶ相殺できる。なんだか、すごく魅力的に見える大学系付属校なのだが、実は意外な落とし穴が……。私学の学校事情に詳しい中学受験誌「進学レーダー」編集長の井上修氏が、注意を喚起している。 中学受験で志望校を決めようと思ったとき、多くの保護者の脳裏にすぐ浮かぶのは大学名が冠された付属の私立校だろう。特に、早稲田、慶應義塾、いわゆるMARCHと呼ばれる明治、青山学院、立教、中央、法政などの大学系の学校は高い人気を誇っている。 例をあげれば、慶應義塾中等部の2015年入試での倍率は男子で5.