大阪大学の学生と教員らがまとめた本が注目を集めている。「ドーナツを穴だけ残して食べることができるのか」という学生の疑問に、様々な分野の教授ら12人が真剣に向き合って答えを考えた。総合大学のユニークな取り組みだけに、「考えることのおもしろさが味わえる」と好評だ。(桑田睦子) ■難問への挑戦 「ドーナツを穴だけ残して食べる方法 越境する学問―穴からのぞく大学講義」(A5判、274ページ、1620円)。大阪大学出版会が2月14日に発売した。5月上旬、3回目の増刷があり、計1万3000部の発行となった。 出版のきっかけは、2012年10月に同大学で始まった一般教養基礎セミナー「本をつくる」。中村征樹准教授(科学技術社会論)と松行輝昌准教授(ミクロ経済理論)らが開講し、学生約30人が編集者らから本の作り方を学んだ。 テーマは学生らで出し合い、ネットで話題になったり、12年放送のNHK連続テレビ小説「