◇「キャタピラー」公式サイト 人生の中で観た映画の中で、もっとも精神的トラウマを残した映画を問われるならば、間違いなく「ジョニーは戦場にいった」(1971年)をあげることになろう。 最初にこの映画を知ったのはメタリカの”ONE”のプロモーションビデオ。 クロスカッティングで映画の本編が映像シーンに挿入されるのだが、その映画のただならぬ雰囲気に、レンタルビデオで映画を借りた。そして、その衝撃にしばらく憑りつかれてしまう。衝撃の正体は、恐怖である。 第一次大戦の前線で、口も耳も目も鼻も吹き飛ばされて四肢も切断されてしまった兵士が、病院のベッドの上で回想にふける物語である。彼は、医者や看護婦に囲まれているが、自分の意思を伝えることができない。 彼は自分の肉体に、永遠の暗闇のまま閉じ込められてしまったのである。そこでは回想する思い出だけがリアルで、現在の姿は色あせた非現実なのである。この映画では過