地球は半径6370kmのほぼ球体に近い惑星である。その中心部の温度は約6000℃、そして、その体積の99%は1000℃以上で、100℃以下の部分はわずか0.1%程度と推定されている。地球内部の温度分布がおおよそ知られていることから、地球内部に貯えられている熱量は1031ジュール程度と評価できる。この数値は莫大で実感が伴わないが、以下のように説明することができる。 地球内部は高温で、地表は10℃程度の低温であり、地球内部からは常に熱が伝導的に流出している。広大な地球表面からはたえず平均70mW/m2の熱(地殻熱流量と呼ばれる)が放出されているが、地殻熱流量によって地球内部の熱を放出し尽くすのには数10億年がかかる。すなわち、地球内部にはそれほどまでに莫大な熱エネルギーが貯えられている。太陽だけでなく、地球も火の玉なのである。 本小論では、地熱発電のしくみ、世界と日本における地熱発電の進展の対