カビが発生した展示作品=2009年7月、新潟市美術館 新潟市の市美術館で4月下旬から開催予定の「奈良の古寺と仏像」展で、文化庁が国宝・重要文化財の計14点の展示を認められないと同市に通知したことが9日、わかった。2月に空間芸術の企画展で展示された電動カートから計30匹のクモが発生し、管理態勢の甘さを重くみた。 同展は、平城遷都1300年を記念し、奈良の法隆寺や東大寺などの仏教美術43点を展示する予定だった。なかでも中宮寺の国宝「菩薩半跏像(ぼさつはんかぞう)」の展示は、東京以外で県外に出るのは初めてとなる一番の目玉だった。 同館では昨年7月にも展示作品の土壁にカビが発生した。文化庁は「カビの発生後は館内をクリーニングし再発防止態勢が整ったと聞いていたが、再びこのような事態が起こり、あまりにも意識が低すぎると判断した。このままでは同館での指定文化財の公開は認められない」としている。