華やかな衣装に身を包んだメフテル軍楽隊は、120年前にエルトゥールル号が遭難した海の前を行進した=3日午前、和歌山県串本町、伊藤恵里奈撮影 オスマントルコの軍艦「エルトゥールル号」が和歌山県串本町沖で遭難してから120年。亡くなった乗組員を追悼する式典が3日、遭難海域に停泊した海上自衛艦上であった。現場を望む慰霊碑前では、トルコ軍楽隊がオスマントルコ以来の伝統の軍楽「メフテル」を披露した。 1890年にトルコから日本に派遣されたエ号は、台風によって串本町沖で座礁。オスマン・パシャ提督以下587人が死亡したが、地元住民らが69人を救助した。以来、エ号遭難者の救助は両国友好の原点とされ、串本町では毎年慰霊式典が行われている。海底に沈んだ遺品の引き揚げ作業も進められている。 式典には、提督のひ孫でパリ在住のオスマン・テキタシュさん(67)のほか、三笠宮寛仁さまと長女彬子さまらが参列した。