「日本の格下げ」を避けるための緊縮財政政策が逆に「格下げリスク」を高めている理由=立沢賢一(元HSBC証券会社社長、京都橘大学客員教授、実業家) 麻生太郎財務相の直筆による財務省の新たな看板=東京都千代田区で2016年6月7日、井出晋平撮影 日本のソブリン格付け見通し、財政悪化で「安定的」に下方修正 2001年1月6日に施行された財務省設置法により、財務省は財政の健全化を目標とする事になりました。それまでの大蔵省ではその様な目標はありませんでした。 つまり、財務省設置法第3条にある「健全な財政の確保」という文言により、日本の財政政策は緊縮財政に走らざるを得ないのです。 かれこれ20年以上に及ぶ緊縮財政政策の賜物としてデフレギャップが生まれました。デフレギャップは需要が右肩下がりで減少してしまう現象を誘導してしまうのです。そして需要が更に減少すれば更に供給過多になりデフレギャップが拡大すると