金融庁の井藤英樹長官はインタビューで、日本銀行による追加利上げが金融機関に与える影響について、プラスとマイナスの両面があるとした上で、各社の収益やリスク管理の状況を「しっかりとモニタリングしていく」と述べた。 井藤長官は金利上昇で金融業界にとって一般的には貸出金利の上昇や債券運用力の向上といったプラス面がある一方、保有する債券価格の下落といったマイナス面があると指摘。「日本の金融機関は総じて見れば、充実した資本基盤がある」としながらも、ポートフォリオや経営戦略は各社さまざまだとして、個別のモニタリングによって安定した金融システムの維持に努める考えを示した。 日本銀行が4月に発表した「金融システムレポート」によると、有価証券ポートフォリオの再構築が進められていることから、金利上昇に対する金融機関の耐性は改善傾向にある。ただ、保有債券では多くの金融機関で評価損が出ているとも指摘しており、市場金