2020年12月後半から異常な高騰を続けている日本卸電力取引所(JEPX)。想像をはるかに超える高騰に、新電力の中には資金がショートしそうなところも出てきている。経済産業省は1月15日、ようやく対策に動き出したが、その内容は「インバランス料金の上限を200円/kWhにする」というものだった。新電力業界からは、この対策ではJEPXは正常化できないという悲鳴が上がっている。 市場から電力を調達しようとすれば、どうしても高値の札を入れざるを得ない。「囚人のジレンマ」ともいえる状況が続き、1月上旬は連日、史上最高値を更新。ついにはJEPXスポット市場のシステムプライス(全国24時間平均価格)が150円/kWhを超えるようになった。 小売電気事業者にとって、逆ザヤなんていうレベルではない。家庭向けに30円/kWhで供給している場合、仕入れ値が販売価格の5倍だ。到底、許容できる水準ではない。 JEPX