2023年、GDPが世界4位に転落した日本と入れ替わる形で3位に浮上したドイツ。代表的な要因として挙げられるのが日本よりも高い労働生産性だ。一方、労働時間はOECD加盟国中最短で、労働時間の管理も非常に厳しいものだという。在ドイツジャーナリストの熊谷徹氏が解説する。 (本記事は8月22日発売『ドイツはなぜ日本を抜き「世界3位」になれたのか』より抜粋・編集したものです) >>【第一回はこちら】日本がドイツに抜かれてGDP「世界3位」へ転落…その逆転の「本当の理由」 日本を大きく上回るドイツの生産性 日本の経済学者の間には、ドイツの名目GDPが日本を抜いた原因の一つとして、労働生産性の違いを指摘する人も多い。労働生産性とは、1人の労働者が1時間に生み出すGDPである。この数字は、労働者がどれだけ効率的に価値を生み出しているかを示す。 たしかにOECDの統計を見ると、1970年から2022年まで
