今話題のドキュメンタリー映画『遭難フリーター』。派遣労働者岩淵さんが自分の日常生活にカメラを向けた意欲作だ。しかし、2009年に本作を鑑賞するとき、単に若者の「リアリティ」を評するだけではなく、労働運動に突きつけられた課題に注目せざるをえない。 遭難フリーターHP http://www.geocities.jp/sounan_freeter/top.html 渋谷ユーロスペースで3月公開 http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=187 ■2009年に『遭難フリーター』を観る意義 まず、この映画の面白さは、派遣労働者本人がカメラを持ち、声を挙げたという点にある。 派遣労働者でなければ撮れない光景が新鮮である。特に印象深かったのは同じく派遣労働者の友達に部屋で髪を切ってもらうシーンだ。将来への不安を抱きながら、つかの間の人間関係が描かれる。この会話は