→紀伊國屋書店で購入 「前世記憶を持った数奇なエジプト学者」 沖縄に霊能力のある父親をもつ友人がいて、霊力に目覚めるまでの経緯を本人から聞かせてもらったことがある。もっとも印象的だったのは忘れ去られた先祖の墓を探しだしたときのことで、先祖の声に誘導されて家の近くの空き地にいったところ、尻餅をついて滑り、その勢いで骨の入った厨子瓶を収めた横穴式の墓に導かれたという。 話だけ聞くとうさんくさく聞こえるかもしれないが、私はそのとき、人は今現在生きている時空間だけを生きるものではないのを強く感じた。それほど彼の語り方には突出した説得力があったのだ。 この本の主人公オンム・セティもまた、現代を生きながら3000年前の時空に出入りした人である。1904年にロンドン生まれ、女性としてはじめてエジプト考古学局の職員になり、その深い知識と洞察力によってエジプト学者から一目置かれる存在になった。彼女はアカデミ