『聖☆おにいさん』は、イエスとブッダが東京立川に下宿するという物語である。しかし、文字通り浮世離れした二人が、仏典や聖書のエピソードを踏まえつつ、大騒動を繰り広げてしまう。ブッダがシルクスクリーンで手作りしたTシャツの文字を初めとして、ちょっとした台詞や行動に至るまで、これでもかというほど宗教上のネタが仕込まれている。 きまじめな信仰者にとっては、これは腹立たしい内容だ、不遜だ、失礼だと思われることもあるようだ(聖☆おにいさん を読みました。その1 - 久保木牧師のblog ~ゆるりと生きる~ - Yahoo!ブログなど)。 しかし、原始仏教に傾倒し、Q資料的に抽出されたイエスに関心を持つ私にとっては、一部後世に作られた偽経や後世の風習などに左右されている点が多少気になるものの(たとえば盂蘭盆会など)、全体としては「よくぞこれだけ知っているな、よく調べているな」と感心してしまうのである。