北海道で8人が死亡した、白菜の浅漬けによる腸管出血性大腸菌O(オー)157の集団食中毒。漬物での食中毒に驚いた人は多いが、原因の浅漬けは調味液に漬けただけのもので、いわゆる伝統的な漬物とは異なる。発酵や塩分濃度が高い伝統的な漬物では、これまでこうした食中毒は起きていない。再発防止には、事業者・消費者ともに「なぜ浅漬けで食中毒が起きたのか」といった食中毒のリスクを理解することが大切だ。(平沢裕子) ◇減塩志向も影響? 伝統的な漬物は、塩分や発酵によって雑菌や大腸菌などの増殖が抑えられることもあり、保存性が高い。一方、今回の食中毒の原因となった浅漬けは野菜を調味液に漬けただけで、塩分濃度が低く、発酵もしていない。 食品衛生コンサルタントの西村雅宏さんは「昔は、浅漬けといえど塩分濃度が高く、細菌の影響を受けにくかった。今は消費者の減塩志向もあり、塩分濃度が低い